出版不況でヒット連発 取次なしの“ネット的”出版社「ディスカヴァー21」(2/2 ページ)
ネットでも読者とつながる
社長自らブログとTwitterを開設するなど、ネットも活用。読者とダイレクトにつながり、声を聞ける貴重な接点という。「電子書籍の衝撃」著者の佐々木俊尚さんとはTwitter経由で出会い、原稿依頼するなど、本作りにも生きている。
「ITやネット界にはあまり詳しくない」が、活用し始めたきっかけは、勝間さんの「年収10倍アップ勉強法」が有名ブロガーに取り上げられ、ベストセラーになったこと。それ以来ブロガーと交流を持つようになり、自身もブログやTwitterも開始。Twitterのフォロワー数は1万6000人近くいる。
内藤みかさんなどがTwitterに書いた140文字の小説を集めた日本初のTwitter小説集「Twitter小説集」も出版。一般ユーザーからTwitter小説を募集するコンテストTwitter小説大賞も開き、2000通以上の応募があった。優秀作は電子書籍化する予定だ。
「ネット時代に対応できているのは、ネット以前から読者の方を向き、読者とダイレクトにつながることを意識していたからだろう」。干場社長はこんな風に自己分析している。
電子書籍サイトも「読者とつながる」ために
昨年12月からは独自の電子書籍サイトを構築。電子書籍の販売にチャレンジしている。他社の電子書籍プラットフォームに任せず、あえて独自の電子書籍サイトを構築したのは、直取引と同様、「顧客情報が直接分かり、読者とダイレクトにつながれる」ためだ。
「電子書籍の衝撃」は自社サイトとApp Storeで配信。自社サイトでは、紙の書籍発売前に110円のキャンペーン価格(定価は電子版が1000円、紙版が1155円)で配信し、Twitterなどでプロモーションした結果、1万のダウンロードがあったという。紙の書籍の売れ行きも好調で、発売から2週間で5万部刷ることが決まった。
iPadやKindleのヒットをきっかけに電子書籍の話題が盛り上がっているが「まだまだ紙の本で読む人のほうが多いのが現実」という。「『電子書籍の衝撃』も、電子版より紙版の書籍の方が圧倒的に売れている。ただ紙なら読まないが電子書籍なら読む、という人もいるだろう。表現できる媒体が増えるのは、作り手としては面白い」
新興の出版社の一角として、電子書籍が出版事業参入のハードルを下げることも期待している。「新規参入事業者が取次を通したり、直取引で全国数千の書店に配本するのは大変。電子書籍は流通のためのコストや人件費もいらず、初期投資を軽減でき、参入障壁もなくなる。個人や小さな出版社にもチャンスが広がる」
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
資さんうどん、従業員の退職理由などが外部から閲覧可能に 委託先の勤怠システムに設定不備
-
2
「低評価でキャラが悲しげな目」 モスバーガーのアンケートがSNSで話題 運営会社に狙いを聞いた
-
3
「裏垢暴露」のつもりが警察沙汰 暴露系YouTuberが著名VTuberの“なりすまし”に騙されていた
-
4
無印良品、不正アクセスで最大2726万件の会員情報漏えいか 退会済みのユーザーも対象
-
5
松屋のアプリに不正アクセス、約238万件の個人情報が漏えい 停止中の補償も予定
-
6
グッスマ、顧客の2800人のカード番号全16桁+セキュリティコードなど流出か 下4桁は40万枚分
-
7
楽天カード、本人認証をワンタイムパスワードに統一 27年2月から順次
-
8
セガのスマホゲーム「チェンクロ」、セキュリティ問題で1~2カ月の長期メンテ 13年続く長寿タイトル
-
9
総務省、GMO攻撃者サイトの「ブロッキング」を通信各社に要請 報道
-
10
暗号資産取引所Binance、ハッキングで約1兆円の被害か 入出金を全面停止
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR