技研公開2011
未来の立体テレビにNHK流スマートテレビ、技研公開は見どころ満載(1/2 ページ)
NHK放送技術研究所は5月24日、「2011年度技研公開」の報道関係者向けプレビューを行い、先日発表した直視型スーパーハイビジョン液晶ディスプレイを含む36の展示を披露した。技研公開は、放送技術分野を専門とする日本唯一の研究機関であるNHK放送技術研究所が、毎年5月に1年間の研究成果を公開するイベント。第1回が行われた1947年から数えて今年は65回目となる。
プレビューに先立って行われた説明会では、NHK放送技術研究所の久保田啓一所長が7月のアナログ停波に触れ、「アナログ放送は、58年の間にカラー化や衛星放送サービスなどさまざまな進化を果たしてきた。今後はデジタル放送を成熟させ、将来のサービスを開発することが技研の役目」と語った。NHK技研は、将来のテレビ技術として3年後の「HybridCast」、10年後の「Super Hi-Vision」、20年後の「空間像再生型立体テレビ」というおおまかなロードマップを描いており、今年もそれぞれに関連する展示が注目を集めそうだ。
“NHK流スマートテレビ”「HybridCast」
3年後の実現を目指すHybridCastは、通信と放送の融合を目指した技術だ。同報性や高信頼性という特長を持つ放送に対し、通信はユーザー個々の要求に応えられるメリットがある。現在のデジタル放送が採用しているMPEG-2 Systemでは、番組のTS(トランスポートストリーム)に新たな情報を入れ込むことは難しいが、IP網を伝送路として活用することで、それぞれの“いいところ取り”を目指す。注目は、IP網で伝送したデータをテレビやSTBから参照するための制御メタデータを作成したこと、そして放送のクロックをベースとしたタイムスタンプをつけ、テレビ放送とネットワーク経由で取得したコンテンツを同期させる方式を設計した点だろう。
HybridCast対応の端末としては、テレビ、レコーダー、タブレットを含む携帯端末、PCなどを想定しており、展示会場にはパナソニックと共同開発したSTBやソニーのテレビ一体型端末も並んでいた。HybridCast対応アプリを導入したiPadやAndroid端末も用意され、これらの端末が互いに連携するデモンストレーションを披露している。
例えば、ネットワーク経由で取得した字幕をテレビ番組と同期して表示することで、通常の放送ではまかなえない多彩な言語をカバーできる。またスポーツ中継などではテレビ放送とは異なる場所から撮影した映像を手元のタブレットで視聴する「マルチビュー」といった使い方も提案している。
昨年実証実験を行った「teleda」を利用したソーシャル系のデモンストレーションも見ることができる。例えば、友達を登録しておくと、どの番組を視聴しているかがテレビ画面上で分かり、タブレット上で同じ番組を選択するとテレビのチャンネルが連動して切り替わるといった具合。タブレットから番組に対するコメントを書き込むことも可能で、離れた場所にいながら友達と一緒にテレビを見ている気分が味わえるという。
“放送と通信の融合”を目指してスタートしたHybridCastは、時流に合わせてSNSやモバイル端末連携を取り込み、「NHK流のスマートテレビ」(久保田所長)に進化しようとしている。なお、HibridCastは今後仕様の策定と実用化検証システムの開発を行い、賛同するメーカーや事業者に対しては仕様を公開する予定だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
「Xが情報収集に役立たない……」熊本地震で不満の声続出 「Twitterを返して」
-
2
メルカリ、梨の転売疑惑に「盗品の出品は確認されず」 誹謗中傷には利用制限も
-
3
「こんなのに追われたら……」急斜面もやすやす爆走、中国製の車輪付き四足ロボのデモ動画が話題 最高時速20km超
-
4
検索結果に「詐欺ではありません」と表示させる詐欺手口、警視庁が注意喚起 AI要約も餌食に
-
5
はてな、11億円流出の調査報告書を公開 偽警察、口外禁止、残業・休出200時間超、孤立……ほころびが連鎖
-
6
Z世代に聞く次の流行、「AIイラスト」が1位に 「Claude Code」も上位
-
7
携帯各社、熊本の一部で通信障害 震度7の地震で 他社回線につながる「JAPANローミング」開始【追記】
-
8
東野圭吾さん死去、Xなどで追悼相次ぐ 「ガリレオ」など数々の人気作、エンジニアから転身
-
9
NVIDIAやMicrosoftなど30社超、オープンAIの防御ツール共同開発の「Open Secure AI Alliance」設立
-
10
農水省の“クソダサ”ポスター話題 「AIよりよっぽど良い」の声も 担当者に狙いを聞いた
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR