「映画館並みの迫力」は本当か!? ソニー「HMZ-T1」を体験(1/2 ページ)
ソニーは、頭部に装着するタイプの映像機器、つまりヘッドマウントディスプレイの「グラストロン」を1990年代後半に販売し、そのユニークなコンセプトと使い勝手で多くのファンを獲得した。今回取り上げる「HMZ-T1」は、その21世紀版といえなくもない製品だ。しかし、その内容と画質を見る限り、完全に似て非なるものであった。
まず過去のモデルとの最大の差異であり、「HMZ-T1」の大きな特長となっているのが、画質に大きくかかわるスペックの部分だ。表示パネルには、1280×720ピクセルの解像度を持つ有機ELパネルを採用。3Dに対応し、光学レンズによる45度の視野角を実現している。
3D表示に関しては、一般的なテレビでは実現が難しい大きなメリットを持つ。それは、1眼につき1枚のパネルが用意されている構造により、3D表示においてなにかと問題になるクロストークや解像度の低下が全く発生しない、ということだ。
一般的なディスプレイでは、1つの画面に左右それぞれの映像を交互に映し出すことで3D表示を実現するフレームシーケンシャル方式が多く使われているが、このタイプでは左右それぞれの映像が混ざり合って二重に見えてしまうクロストークが起きやすい。また偏光メガネを使用するライン・バイ・ライン方式では、左目、右目の映像を走査線1つおきに表示するため、画素数が半分になり画質が低下してしまう。しかしHMZ-T1は、構造上こういったデメリットが発生せず、3D映像を見る装置として理想的といえる一面がある。これは期待が持てる。
“ながら見”はできません
製品は、ヘッドマウントユニットとプロセッサーユニットの2パートで構成されている。ヘッドマウントとプロセッサーは専用の有線で接続、プレーヤー/レコーダーからの映像+音声出力は、HDMIで接続するようになっている。またプロセッサーユニットにはHDMI出力も用意され、テレビなどはこちらと接続しておけばよいので不便はない。スタンバイ時には装着するだけでヘッドマウントユニットが自動的にオン、外せば自動でオフ。オフになると、プロセッサーユニットのHDMIからスルー出力されるため、とても使い勝手がよい。
ヘッドマウントユニットは、本体前面上部のパッドと、上下に分かれた後方のストラップで固定される。約460グラムという重量は決して軽くはないが、しっかり固定されるため不安はない。調整幅も広く設定されているので、装着不可能なケースはほとんどないだろう。
また、装着後にはレンズ位置を左右方向に調整する必要があるが、こちらは専用のメニューがあるため、それほど戸惑うことはない。ただし、筆者のように眼鏡をかけている人は多少装着がシビアになるケースもある。例えば、眼鏡のツルの前方(レンズとの接合部分)が横に張り出しているデザインだと眼鏡が押され気味になり、鼻の頭の固定部分にかなりの圧力がかかってしまう。そういった状態に陥らないよう、ヘッドマウントユニット装着時には位置の微調整を行いたい。
加えて装着時に気づいた点は、しっかりと固定されているがゆえに、頭の動きに画面がピタリとリンクしていることだ。要はどこを向いても正面に画面があるため、当然ながら“ながら見”のような使い方はできない。映画館のように、映像に集中して楽しむべき製品ということだろう。
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