「大きなミスを犯してしまった」――楽天koboに何が起きたのか(1/3 ページ)
楽天子会社のカナダKoboが7月19日に発売した電子書籍端末「kobo Touch」。7980円という挑戦的な価格が話題を呼び、三木谷浩史社長が店頭でトップセールスするなど鳴り物入りで登場したが、発売当日に手に入れたユーザーの一部は、「アクティベーションできない」「電子書籍が正常に表示されない」など不具合に悩んだ。楽天の直販サイトの端末レビュー欄には批判が殺到し、炎上状態になった。
一連の問題はなぜ起きたのか。楽天は、問題にどう対処していくのか。そして、直販サイトのレビューが閲覧できない状態になったのはなぜか――楽天デジタルコンテンツ推進室の本間毅執行役員に真相を聞いた。
アクティベーションできない……「大きなミスを犯してしまった」
――kobo Touchのアクティベーションに失敗する人が続出しました。
多くのお客様にご迷惑をおかけしたと認識しています。Koboのサービスは19日午後3時に正式スタートする予定でしたが、大きなミスを犯してしまいました。専用PCアプリ「Kobo Desktop」のダウンロードサイトにお客様がアクセスできる状態になったのが、正式スタートより前だったのです(編注:編集部では同日午前10時ごろ、同サイトからアプリをダウンロードしている)。最終テスト・調整が完了する前のアプリをお客様がダウンロードされ、アクティベーションできないなど問題が発生しました。
端末にプリインストールされる「青空文庫」のサンプルファイルが、最初のページと最後のページしかない不完全なものだったり、表示に不具合が起きたりしていたのは、ダウンロードいただいたアプリが最終版でなかったためです。また、Windowsの特定のバージョンで、ユーザー名にかなや漢字を使っていた場合、エラーが出てKobo Desktopをインストールできない問題も起きました。
アクティベーションや同期のための回線もひっ迫しました。発売に合わせ、かなり増強していたつもりでしたが、多くの方の利用が集中し、予想以上の負荷がかかって、楽天IDでのログインやデータの同期がうまくいかないことがありました。何度もアクティベーションに挑戦され、うまくいかないまま時間を無駄にされてしまった方もいらっしゃいます。サポート情報を提供するコールセンターも電話がつながりにくく、お待たせしてしまいました。我々のミスです。申し訳ありません。
問題発生を受け、日本とカナダのKobo本社は24時間体制で問題を持ち寄り、解決に当たっています。これまでに分かっている不具合は、すでに提供済みのデスクトップアプリ3.0.2で解決しています。コールセンターの対応時間も、24時間に延長しました。コールセンターには現場の社員を派遣し、情報がスムーズに伝わるよう努力していますが、緊急対応だったのでクオリティーが不十分と認識しています。改善中です。
日本語固有の問題でつまづいた
――スピードを重視するあまり、事前の検証が不十分になったのではないでしょうか。
発売までのスピードを重視したのは事実ですが、大事なプロセスはすっ飛ばしたわけではありません。事前の検証は十分にやっていたつもりでした。ハードウェアの製造についてはカナダのノウハウが、サプライチェーンは楽天グループの経験があり、不安はありませんでした。
ですが、日本語対応、日本語組版で縦書き、かつEPUB3に合わせていくことに困難が伴いました。Koboのファームウェアはほかの国でも提供しており、日本語特有の問題を除いては、問題なく利用できるものでしたが、振り返ってみると、すべてにおいて、日本語特有の問題がありました。
――日本語書籍は3万点を用意するとしていましたが、当初のラインアップは約2万点、うち1万点あまりが「青空文庫」の無料作品という状態でした。
日本語書籍の点数は、出版社との関係をベースにはじき出したもので、水増ししようとしたわけではありません。日々追加しており、実際にその数字に近づいています。7月中には必ず、3万タイトルに到達します。
ラインアップをそろえるのに時間がかかったのは、日本で初めてEPUB3を全面採用したためでした。既存のファイルフォーマットなら既存のファイルを流用できたのですが、ファイルを新たにEPUB3に作り直す必要があり、当初契約できた書籍数と、リリースまでに間に合ったもの間にギャップが出てしまいました。現在も、チェックを待っている状態のものが数千冊の単位で存在します。
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