「作る側と聴く側をつなぐ配信サイトに」、HQM STORE
クリプトンは7月26日、ハイレゾ音源配信サイト「HQM STORE」で配信する新譜と今後の方針を発表した。同社の濱田正久社長は、ハイレゾ音源の配信が「当たり前のものになった」と振り返りつつ、今後は「作る側と聴く側をつなぐ配信サイトにしたい」と語った。
HQM STOREは、2009年6月にスタートし、クラシックやジャズを中心にハイレゾ音源を配信サイトしている。現在のカタログ数は「HQM」として164タイトル、CD向けに録音されたマスター音源を24bit/88.2kHzもしくは24bit/176.4kHzに拡張した「HQM GREENが118タイトルの計282タイトル。濱田氏は、「4年も経つと、(ハイレゾ配信は)もう当たり前の世界になった。でも足を止めると、パッケージで聴きたい人やパッケージでリリースしたい人たちもいる」と振り返る。
このため同社は、メモリーテック、キュー・テック、カメラータ・トウキョウと共同でBlu-ray DiscにCDを超えるハイビット/ハイサンプリングレートの音源を記録する「ブルーレイディスクによるハイレゾリューションオーディオ」を提案した(→関連記事)。
今回、新譜として発表した「ヴィヴァルディ:四季」も、もともとBDオーディオ向けに収録されたものだ。カメラータ・トウキョウが2月に発売した同名タイトル(CMBD-80004)と同等の192kHz/24bit音源を使い、配信用にFLACとした。販売はアルバム単位で、価格は3500円。「今までヴィヴァルディ:四季はアナログ音源からのハイレゾ化はあったものの、新規録音で192kHz/24bitは初めて」という。
演奏は、ヴァイオリン独奏がパオロ・フランチェスキーニ、弦楽合奏がイ・ソリスティ・ディ・ペルージャ、クラヴィオルガンがクラウディオ・ブリツィ、オルガン/チェンバロにリンダ・ディ・カルト。昨年10月にイタリア・ウンベルティーデの聖クローチェ美術館で録音した。
また、気鋭の日本人奏者4人による弦楽四重奏団「Virtuosi del canto」(ヴィルトゥオージ デル カント)の新譜、ロッシーニ「弦楽のためのソナタ全曲」も同日から配信を開始した。こちらはヴィオラが入らないオリジナル編成によるロッシーニの弦楽ソナタ6曲で、価格は2500円(アルバム単位)。こちらはHQM GREENシステムを使用して176.4kHz/24bit、および88.2kHz/24bitのFLACにしたものだ。発表会に同席したVirtuosi del cantoのチェロ奏者・宇田川元子さんは、「(ハイレゾ化で)自然なデコレーションができている。音色をうまくとらえ、とてもステキになったと思う」と話していた。
カメラータ・トウキョウの中野浩明社長は、「ここ数カ月はBDオーディオで忙しく配信タイトルがなかったが、今後もBDオーディオと配信を平行して展開していく。月に1タイトル程度は追加する予定」と話す。またクリプトンの濱田社長も、「BDオーディオは、ユニバーサル・ミュージックがドイツやフランスでタイトルを販売するなど動きもある。国内でも年内にはリリースするはず」として、その“立ち上げ”が一段落したため、再び配信に力を入れる方針だ。「HQM STOREは、音楽的にも優れたサイト、(音楽を)作る側と聴く側を丁寧につなぐような音楽配信サイトにしたい」(濱田氏)。
なお、ハードウェアメーカーとしてのクリプトンは、これまでより手軽にハイレゾ音源を楽しめるように「KS-1HQM」などの小型アクティブスピーカーに力を入れてきたが、「今後は、より本格的なものも作りたい」として新しいスピーカーの開発にも意欲を見せた。
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