見放題を“使い倒す”方法、教えます──Huluトップページの秘密(1/2 ページ)
就寝前、いつものように「ウォーキング・デッド」の続きを見ようとHuluを開いて思わず手が止まった。おいしそうにうどんを食べる人たちの画像と「まいうーな作品集」というタイトル。食欲の秋にぴったりの、グルメがテーマの映画や番組を集めた特集のようだ。ご丁寧に「お腹が空くので要注意」と書いてあったがもう遅い。ゾンビよりも破壊力のあるタイトルの数々に負け、深夜1時をまわってから「孤独のグルメ」とカップ麺を堪能してしまった。
視聴者の“見たいもの”は、そのときの気分次第でコロコロ変わるものだ。そんな気まぐれなニーズに対し、見たいものを好きな時間に見られるというのは、HuluのようなSVOD(Subscription Video on Demand:定額制ビデオ・オン・デマンド)の良いところだろう。一方、運営会社にとっては、いかに多くのコンテンツに触れてもらい、顧客満足度を上げるかが重要。その晩、予定外のコンテンツを見たことは、「まいうーな作品集」を作った人にとって満足のいく結果だったにちがいない。カップ麺の件はともかくとして。
映画好きが作るHuluの“お店”
Huluで特集の運用を担当しているのが、韓国出身のジオ・リー氏だ。大学で映像制作を専攻し、20世紀フォックスのプロモーション担当や国内大手ビデオレンタルチェーンのバイヤーも経験したという、根っからの映画好き。今年1月からフールージャパンLLCでコンテンツパートナーのマネジメントとエディトリアルを担当しており、トップページに掲載する特集や作品の選択も任されている、いわば「Huluのお店作り担当」だ。
自分の仕事を「Huluを“使い倒してもらう”こと」と言い切るリー氏は、定額制の見放題だからこそ、ユーザーに対するリコメンドは重要だという。「Huluに来たら人気作品以外でも『おっ』と思う作品を紹介したい。そのために特集には力を入れています」。
Huluトップページには、新着タイトルや注目タイトルと並び、「トレイ」と呼ばれるワイドな枠を使った特集が常時複数用意されている。問題(?)の「まいうーな作品集」もその1つ。ただ、コンテンツの量も“売り”のサービスなら、多くのタイトルを並べようとするのではないか。実際、他社のサービスではその傾向も強いが、一方でHuluのトレイは意外なほど大きな画像とフォントでスペースをぜいたくに使っている。
「私は、単にたくさん見てもらうことだけが良いとは思っていません。それだけなら『ウォーキング・デッド』のようなメジャーなタイトルを多く並べるだけで数字は上がるでしょう。Huluが重視しているのは、知らなかった作品に出会う“きっかけ”。これまでになかった切り口のテーマを増やしたいと考えています」。
さらにユニークなのは、タイトルに“旬”なキーワードを入れて自然と目に入るようにしていることだ。例えば、世間でNHKの連続テレビ小説「あまちゃん」が話題になっていたら、小泉今日子さんが過去に出演した作品にフィーチャーした特集を作り、タイトルには「じぇじぇじぇ」。ドラマ「半沢直樹」が注目を集めていたら、復讐劇の特集を組んで「倍返し」のフレーズを使う。さらに、ドラマの最終回が放送されるとすぐに「100倍返し」に切り替えるなど、実はけっこう芸が細かい。それを敏感に察知したユーザーが、Twitterなどで「Huluがうまいことやった」「便乗してる www」などと、つぶやくことも増えた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
メルカリ、梨の転売疑惑に「盗品の出品は確認されず」 誹謗中傷には利用制限も
-
2
Anthropic、「Claude Opus 5」公開 Fable 5に迫る性能を半額で――サイバー安全策は緩和、拒否時は自動フォールバックも
-
3
「iPhone高騰」はこれからも続く? 中国CXMTに近づくApple、メモリ競合へのけん制が不発に終わりそうなワケ【後編】
-
4
「ニューロマンサー」実写ドラマ、Apple TV+で2027年1月配信開始へ
-
5
検索結果に「詐欺ではありません」と表示させる詐欺手口、警視庁が注意喚起 AI要約も餌食に
-
6
「こんなのに追われたら……」急斜面もやすやす爆走、中国製の車輪付き四足ロボのデモ動画が話題 最高時速20km超
-
7
海外の新作バカゲー「電車アタック」にマンガ家が感心した理由 ブッ飛んだ内容と完成度の高さ、そして“日本”
-
8
「めっちゃカメレオン」公式Discord乗っ取り 担当者PCがマルウェア感染、管理者が全員BANに 現在は復旧
-
9
暑さ対策が熱い! 「猛暑対策展」で感じた、転んでもただでは起き上がらない日本人のエネルギー
-
10
スーパーに並んだ「ごちゃごちゃ生成AIポップ」が物議 “看板王”こと、きぬた歯科院長「これはアリ」
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR