交換レンズ百景
手ブレ補正が魅力のF2.8通し大口径標準ズーム――タムロン「SP 24-70mmF/2.8 Di VC USD」(Model A007)
モデルナンバー「A007」で呼ばれるタムロン「SP 24-70mmF/2.8 Di VC USD」は、カメラメーカー純正の同クラスレンズより手ごろな価格で、かつ手ブレ補正機構「VC」(Vibration Compensation)の搭載が魅力のF2.8通し大口径標準ズームだ。
外観は一目でタムロンと分かるゴールドのリングが特長だ。フィルター径82ミリのレンズなのでインパクトのあるシルエットながら、レンズに施されている「Ultrasonic Silent Drive」などのプリントが前近代的なデザインのためちぐはぐな印象を受ける。先日開発発表されたレンズ「SP 150-600mm F/5-6.3 Di VC USD (Model A011)」と同じ意匠になれば洗練されるのではないかと感じる。また、使っていて、レンズのAF/MF切替およびVCのON/OFFスイッチと、ボディのレンズ着脱ボタンとのクリアランスが少なく、指が入れづらい点が気になった。
ニコンのフルサイズ機「D610」に装着して撮影を行ったが、写りはなかなかいい印象を持った。若干色乗りは浅く感じるものの、開放からシャープで逆光にも強く、セールスポイントである手ブレ補正機構「VC」(Vibration Compensation)もかなり効いている。よく「F2.8通しの標準ズームを考えているのだが手ブレ補正がないのが……」と思っている人は一度試してみるといいだろう。レンズフードの造りを含め、外観がチープなのが残念だが、マウント部をはじめ簡易防滴構造を採用しているのはうれしいところだ。
公園に架かる吊り橋を撮影。太陽を入れたがイヤなフレアはなく、整った光芒が現れた。橋脚と柵の描写もしっかりとしている。
F2.8の絞り開放、最短撮影距離38センチ付近で花を撮る。さすがにソフトな印象だが、花の中心部を歩くアリをしっかりと確認できる。
山岳公園に設置されたクライミングウォールをワイド端であおってシャッターを切る。薄曇りの影響もあるが、色乗りの浅い感じが爽やかなイメージを印象づける。偶然飛んできたテントウムシがホールドに止まっているのが見えるだろう。質感の再現性は高い。
大口径標準ズームはスナップ撮影に欠かせない。狭い路地のような引きがない場所でもワイド端で広く写せるし、テレ端で寄って背景をぼかしての撮影も可能にしてくれる。自然なディストーションと、ナチュラルでクセのない色再現性は魅力だ。
モデル撮影でもこのレンズは活躍する。ワイド端でグッとモデルに寄り、広々としたパースペクティブで臨場感を演出できる。素直な鮮明な描写は頼もしく、AFもなかなか高速だ。
縦位置で上方への拡がりを出して撮影。チョイ絞りで像が一段とシャープになった印象だ。モデルの瞳から顔全体、ペイントされた壁の質感と、前後のボケが美しい。周辺光量の低下も穏やかだ。
(編注:本記事では一般的な撮影状態での利用を念頭としているため、人物撮影にレフ版などは利用しておりません)
(モデル:三橋愛永 オスカープロモーション)
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