「日本のIT、完敗の恐れも」 ヤフー、「パーソナルデータ」活用規制に危機感(1/2 ページ)
「日本のITが完敗してしまう恐れもある」――ヤフーは1月21日、政府の「パーソナルデータに関する検討会」事務局が示している、パーソナルデータ(個人に関する情報)に関する制度の見直し方針について、異議を唱える記者説明会を開いた。データ利活用の過剰な規制はビッグデータ関連ビジネスの足かせとなり、日本のIT産業を衰退させる恐れがあると警戒している。
パーソナルデータに関する検討会(座長・堀部政男一橋大学名誉教授)は、政府のIT総合戦略本部傘下に昨年9月に設置された。ビッグデータを活用した新ビジネス・サービスが勃興する中、プライバシーの保護などに配慮したパーソナルデータ利活用のルールのあり方を検討したり、監督・紛争処理機能を備えた第三者機関の設置を含む制度の見直し、関連の法改正などについて議論。議事録はWebサイトで公開され、制度の見直し案(事務局案)の概要もPDFで公開されている。
この見直し案に、「データの利活用を妨げかねない内容が含まれている」と、ヤフーの別所直哉 執行役員は指摘する。1つは、第三者機関の設置。見直し案には、データ利活用について統一的な見解を提示したり、事前相談や苦情処理、行政処分に当たる第三者機関の設置が示されているが、「機関設置による萎縮効果や、過度にプライバシー保護に偏った執行が行われる懸念がある」と別所氏は指摘する。
また、保護されるデータの範囲は「プライバシー保護という基本理念を踏まえて判断する」とあるが、「個人情報保護法が規定する範囲より広がり、プライバシーというあいまいな概念による判断は恣意的な規制につながる恐れもある」(別所氏)と懸念する。
検討会の見直し案がパーソナルデータ保護に傾いた背景には、委員に「ビッグデータの利活用を行っている事業者がいなかった」ためだと別所氏は指摘。IT企業から、フューチャーアーキテクトの金丸恭文社長とぐるなびの滝久雄会長が委員として参加しているが、そのほかは大学教授が中心の顔ぶれだ。
「気持ち悪い」では新たな可能性を探れない
ビッグデータは、新サービスやビジネスを生み出すエンジンとしての期待が大きく、政府の成長戦略にも利活用の推進が明記されている。ヤフーは、ビッグデータ活用の取り組みとして、ユーザーの閲覧履歴に基づいてパーソナライズしたコンテンツや広告を表示したり、検索履歴をベースにしてインフルエンザの流行を予測するといったことを行ってきた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
資さんうどん、従業員の退職理由などが外部から閲覧可能に 委託先の勤怠システムに設定不備
-
2
グッスマ、顧客の2800人のカード番号全16桁+セキュリティコードなど流出か 下4桁は40万枚分
-
3
楽天カード、本人認証をワンタイムパスワードに統一 27年2月から順次
-
4
松屋のアプリに不正アクセス、約238万件の個人情報が漏えい 停止中の補償も予定
-
5
無印良品、不正アクセスで最大2726万件の会員情報漏えいか 退会済みのユーザーも対象
-
6
「PayPay連携の銀行から、お金全部盗られた」被害報告……原因と対策は? PayPayに聞いた
-
7
暗号資産取引所Binance、ハッキングで約1兆円の被害か 入出金を全面停止
-
8
松屋の公式アプリとWebサイトが停止 不正アクセスを検知、モバイルオーダーや弁当予約も使えず
-
9
ベネフィット・ワンの委託先に不正アクセス セゾン会員向け優待サービスで約2.9万人分の個人情報漏えい
-
10
総務省、GMO攻撃者サイトの「ブロッキング」を通信各社に要請 報道
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR