「X-T1はロマンチック」 海外著名写真家が語るその魅力
日本国内で写真に興味がある人ならば「富士フイルム」を知らない人はいないであろうし、同社の展開する「FUJIFILM X」シリーズは写真愛好家からの高い評価を得ている。ただ、「富士フイルム」を日本人ほど身近に感じることが難しい外国人写真家にとって、「FUJIFILM X」シリーズはどのような存在として認識されているだろうか。写真家/ディレクターとして20年以上のキャリアを持つJim Marks氏に、最新機種「FUJIFILM X-T1」について聞いた。
――まずFUJIFILM X-T1に対する第一印象を教えてください。また、X100やX20といった既存Xシリーズの利用経験もあるとのことですが、X-T1で変わったところ、変わらないところはどこでしょうか。
Marks氏: X-T1を一言で言えばVery Goodだね。電子式であることを感じさせないファインダーや、ISO感度などの設定が“見える”ダイヤル類もいい。僕は絞りとシャッタースピードをカメラ任せにして、調整は露出補正だけという撮り方も好きなんだけど、そのスタイルで撮る場合、X-T1のダイヤル配置はとても好都合だね。
液晶が動くので、ウエストレベルから相手にカメラを意識させないスナップが撮りやすい。バッテリーグリップ「VG-XT1」をつけた状態でも非常に使いやすい。縦位置でも横位置でも操作フィーリングが変わらないし、マニュアルフォーカスが使いやすいのも気に入っている点のひとつだ。
これまでのシリーズ製品との違いだけれど、ユーザーの声を積極的に取り入れたのだと感じるね。X100やX20がユーザーの声に耳を傾けてなかったという訳ではないと思うけれど、(Xシリーズとしての世代を重ねたことで)X-T1にはこれまでのシリーズ製品が搭載してこなかった撮影機能やオプションが用意されているからね。同じといえるのはやはり独特、ユニークな“色”だ。VelviaやASTIAといったフィルム時代に慣れ親しんだ色が再現されるのはうれしいことだよ。
――現在はFUJIFILM Xシリーズを多く使っていると聞きましたが、これまでにはどんなカメラを使ってきたのですか。
Marks氏: ハッセルブラッドのような中判カメラも使ってきたし、ライカもニコンもキヤノンも使ってきた。ライカは気に入ったカメラのひとつだけど、レスポンスに不満を覚えることも多かった。カメラであれば何でも好きなんだ。でも、「仕事で使える小さいカメラ」はFUJIFILM Xだったんだ。
スピード、クオリティ、レンズ、サイズ。すべてに満足できるカメラシステムを探していたら、FUJIFILM Xにたどり着いた。富士フイルムはとてもクレバーだね。
X-T1の気に入っているところをもうひとつ話したい。それはデザインだ。家電的なデザインのカメラが増える中、X-T1のデザインはとてもロマンチックなんだ。オールドデザインに最新技術を搭載したカメラ、そんな印象だね。
デザインの重要度? 75%ぐらいかな。いや、もっと高いかもしれない(笑)。でも、デザインのためのデザインではダメだ。撮るための必然性があるデザインであるかどうかが、僕の中ではとても重要な要素なんだ。
――Xレンズについてはどのような印象を持っていますか
Marks氏: あまり知られていないことかもしれないけれど、フジノンレンズは映画や放送といった映像の世界で多く使われていて、プロフェッショナルからの信頼が厚い(編中:Marks氏は写真家のみならず、映画の撮影や映像ディレクターとしても活動している)。Xレンズとしての歴史は浅いけれど、プロから信頼されるメーカーによるレンズであることを裏切らないクオリティだと思う。
レンズ交換式Xの第1弾、X-Pro1を投入したとき、富士フイルムはズームレンズではなくて、3本の単焦点レンズを用意した。これはとてもよい判断だったと思うね。3本のレンズはどれも明るくて小さく、描写にも優れている。カメラシステムとしてのバランスがよいこと、それを重視していることを打ち出したのだから。まもなく登場する56ミリ(XF56mmF1.2 R)も試したけれど、ファンタスティックな描写だったね。
――レンズ交換式のFUJIFILM Xシリーズに興味はあるけれど、まだユーザーではないというカメラファンに一言お願いします。
Marks氏: 小さくてクオリティが高く、フレシキブル。レンズ交換式のFUJIFILM Xシリーズはそんなカメラシステムだと思う。いま使っているカメラシステムももちろん素晴らしいのだけれど、そうした存在があることに目を向けてくれるとうれしいね。
あと、富士フイルムにも一言。明るい90ミリぐらい(130ミリ相当ぐらい)の単焦点レンズを出してくれないかな。ポートレート用に使いたいんだ!
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