連載・“シャドーIT”との向き合い方
クラウドから新製品情報がごっそり流出? 勝手ツールが企業にもたらす“悲劇”(2/3 ページ)
気付かぬ設定、便利さの裏にある“落とし穴”
その後しばらく、仁美はStorage Aを利用して仕事をこなしていった。結果として深夜残業も減ったため、上司からは仕事ができるようになったと評価されていた。
そんなある日、○×社に激震が走る。
新製品の情報が、商談を進めていた顧客名とともにネット上に出回っていたのだ。
○×社では急いで犯人探しが行われ、名簿が流出した顧客の担当である仁美が真っ先に疑われた。一方情シス部門もネットワークのアクセス情報から、この時点で情報流出元がStorage Aであることを発見。仁美がそこにアクセスしていた事実を知る。
こうして、張本人である仁美、上司である佐々木、IT部門から和男の3人で緊急会議が開かれた。
佐々木 仁美、これはどういうことなんだ! わが社の新製品情報はネットに流出してしまうし、顧客はカンカンに怒ってこの商談は流れてしまったぞ。どう責任を取るんだ!
仁美 本当に申し訳ありません。ただ私自身、なぜこのような情報が流出してしまったのか分からないのです。
和男 でも、仁美はStorage Aを使ってたよね。そこに新製品情報も顧客名もアップしてたんだろ?
仁美 確かに使っていたけど、あのサービスでは、他の人から自分のファイルを見られないように設定していたはずだし……。
和男 自分ではそう設定していたかもしれないけど、この手のサービスは機能変更が頻繁にあってね。調べてみると、2週間前の機能変更で、それまで“非公開設定”だったファイルも全公開になっていたらしい。その時にあらためて非公開に設定し直さないといけなかったんだ。
仁美 知らなかった……。
佐々木 とにかく、この問題をどうしてくれるんだ! 仁美、お前にはもう新製品や重要顧客は任せん。そもそも和男、お前ら情シスがしっかり管理してないから悪いんだぞ。俺は上に情シス部門にも責任ありと報告するからな。
仁美 はい。本当に申し訳ありません。
和男 (ふざけんなこのオヤジ……。)原因究明と対策は部に持ち帰って検討します。
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