滝田勝紀の「白物家電、スゴイ技術」
街が変わる、家も変える――IoTを活用するLED照明の可能性(1/3 ページ)
3月にドイツのフランクフルトで開催された照明と住宅設備の展示会「Light+Building」。そこでもっとも大きなブースを構えていたのがフィリップスだ。日本国内ではヘルスケア系のアイテムで知られている同社だが、実は世界シェアNo.1のライティングメーカーでもある。今回はそんなフィリップスの照明部門であるフィリップス ライティングが展示していた最先端のLED照明を紹介しよう。
街全体を効率化するスマートシティ
スマートシティとは、ITや環境の先端技術を駆使して街全体のエネルギー有効利用を図るなど、省エネ化を徹底した環境配慮型都市の総称である。スマートシティを実現するためには、町中に必要な情報を収集するためのセンサーや端末のネットワークを張り巡らせる必要がある。
フィリップスは、LEDの街路灯を端末にしてスマートシティを実現しようとしている。それがフィリップス「CityTouch街路照明管理システム」(以下CityTouch)。各種センサーおよびワイヤレス機能の拡張スロットを搭載したLED街路照明を街中に配置して大幅な省エネ化とコスト削減を目指している。
CityTouchは、既に世界33カ国530件の導入実績がある。それを強化するため、今回ボーダフォンと新たなグローバルパートナーシップを締結。ボーダフォンが誇る世界屈指のM2M(Machine to Machine)ネットワークを利用するため、個々の街路照明にボーダフォンのM2M向けSIMカードを搭載した。これにより、例えば街全体を管轄する担当者はリアルタイムで照明の稼働状況を監視すると同時に、管理することができる。また、エンジニアは遠隔地からパフォーマンスのチェックや障害の特定、照明をスムーズにコントロールできるという。
実際の導入事例として、イタリアのチッタ・サンタンジェロという村が挙げられる。熟練した職人が多く住み、小規模ながらも活気に満ちた村だが、イタリア政府とCEIEPower(イタリア国内の電力会社)とのコラボレーションにより、数千個もの電球を使用していた街路灯をすべてCityTouch対応のフィリップスLED街灯に交換した。これにより、町のエネルギーコストは76%も削減できたという。
さらに会場では、各種センサーとワイヤレス機能(拡張スロットで対応)を搭載したLED街路照明「フィリップス DigiStreet」(以下DigiStreet)も発表された。これによりネットワーク環境が未整備の都市でも徐々に街路照明のネットワーク化を進めることができる。
フィリップス ライティングのビジネスプロフェッショナルシステム部門で公共部門担当リーダーを務めるヴァサンス・フィロミン氏は、「現在、世界中でLED照明への切り替えが進んでいます。しかし、予算の関係もあってすべての自治体が最初からすべて“コネクテッド照明”に移行できるわけではありません。DigiStreetなら、最初に省エネLED照明のみを、さらに必要に応じて拡張することができます」と語っている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
滝田勝紀の「白物家電、スゴイ技術」
モノ雑誌で白物家電を約10年担当し、メーカーからの信頼も厚いフリーランスライター、滝田勝紀(たきたまさき)氏が最新家電のスゴイ技術を紹介するインタビュー連載。
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
メルカリ、梨の転売疑惑に「盗品の出品は確認されず」 誹謗中傷には利用制限も
-
2
Anthropic、「Claude Opus 5」公開 Fable 5に迫る性能を半額で――サイバー安全策は緩和、拒否時は自動フォールバックも
-
3
「iPhone高騰」はこれからも続く? 中国CXMTに近づくApple、メモリ競合へのけん制が不発に終わりそうなワケ【後編】
-
4
「ニューロマンサー」実写ドラマ、Apple TV+で2027年1月配信開始へ
-
5
海外の新作バカゲー「電車アタック」にマンガ家が感心した理由 ブッ飛んだ内容と完成度の高さ、そして“日本”
-
6
「めっちゃカメレオン」公式Discord乗っ取り 担当者PCがマルウェア感染、管理者が全員BANに 現在は復旧
-
7
「こんなのに追われたら……」急斜面もやすやす爆走、中国製の車輪付き四足ロボのデモ動画が話題 最高時速20km超
-
8
暑さ対策が熱い! 「猛暑対策展」で感じた、転んでもただでは起き上がらない日本人のエネルギー
-
9
検索結果に「詐欺ではありません」と表示させる詐欺手口、警視庁が注意喚起 AI要約も餌食に
-
10
スーパーに並んだ「ごちゃごちゃ生成AIポップ」が物議 “看板王”こと、きぬた歯科院長「これはアリ」
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR