山本敦の「体当たりッ!スマート家電事始め」
家の鍵がスマートになると何が便利なの? 「Qrio Smart Lock」で確かめた(3/4 ページ)
手動で鍵をまわすよりも時間がかかる?
Qrio Smart Lockを取り付けたドアは、見た目にちょっとゴツくて違和感もあるが、慣れればデザイン自体は悪くない。導入後に家族から「美観が損なわれた」と拒否される心配はなさそうに思う。アプリでドアの開け閉めをやってみよう。当然ながら、鍵自体には「開ける」と「閉じる」の2つのステータスしかないので、アプリの操作も極めて単純だ。赤いアイコンが「閉じる」で、青いアイコンが「開ける」。どちらも3秒ほど長押しするとQrio Smart Lockに信号が送られ………。約5秒ぐらい経つとサムターンがくるりと回って、鍵がかかった! むむっ! これはひょっとすると、手で開け閉めした方が早いのでは?
最近Qrioアプリのアップデートが実施され、Andorid版ではウィジェットが使えるようになった。ホーム画面にウィジェットを置けば、アプリを立ち上げなくてもよりシンプルにドアの開け閉めができるようになるのだ。これならもう少しきびきびとスマートロックによる開け閉めができるのではと思って試したが、ボタンへのアプローチは簡略化されたものの、実際にスマートロックが稼働してサムターンを回すまでのタイムラグには大きな変化がない。
はっきり言って、もう手に物理鍵を握っていて、手を伸ばせば鍵穴やサムターンが触れる距離であれば手で鍵をかけてしまった方が、スマホを取り出してアプリを起動するよりもずっと速いし、所作として自然だ。ではスマートロックを使う意義はどこにあるのか。引き続きQrioの「ロック設定」を深掘りして「オートロック」と「手ぶらで解錠」機能を試してみると、徐々にその真価がみえてきた。
手ぶらで鍵の開け閉めができる機能がスマートロックの真骨頂
前者の「オートロック」は、例えば外出先から家に帰ってきた時に鍵を開けて、ドアを閉めたら、サムターンをくるっと回す手間が省けたり、反対に外出する時にも鍵を閉めるというマニュアルの動作をスキップできるようになる機能だ。旅行に出かけると、新しいホテルなら大体備わっているあのオートロック機能と一緒というふうに捉えてもらえればいいだろう。
使ってみると、これはなるほど便利だ。スマートロックを設置した甲斐がじんわりと感じられる。オートロックがかかるタイミングは最短10秒から変更できる。機能をオンにすると、ドアを開けた状態からカウントダウンが始まり、設定した秒数後にサムターンがくるりと回って鍵がかかる。複数の人と一緒に部屋を出る際には10秒だと少し短いかもしれないので時間を延ばせるが、1人で出入りするときにはなんとなく10秒を持て余した。これがもう少し短い間隔に設定できるようになるといいかもしれない。
「手ぶらで解錠」は、ユーザーが外出先から帰宅して、アプリをインストールしたスマホを持ってドアに近づくと、GPSの位置情報とBlutooothの信号を元にQrio Smart Lockが自動で解錠してくれるというものだ。現時点でまだβ版として設けられている機能なので、「ロックの設置環境などの条件によっては正しく動作しない可能性がある」と注意書きも加えられている。だから現時点でシビアに機能をチェックするのはふさわしくないので軽く試してみたが、正確に動作するようだ。オートロック機能と正式に併用できるようになれば、鍵を開け閉めする動作からほぼ完全に解放されて、スマートロックを導入する醍醐味が実感できそうだ。
なお、ふだん普通にアプリから鍵を開け閉めする場合、スマートロックをリモコン操作できる範囲はBluetoothの信号が届く距離とイコールになる。例えば外出後、駅から電車に乗った途端に「あれ、鍵閉めて出たっけ?」と不安になったとしても、スマホのLTE通信経由でロックをかけるといった使い方はできない。アプリのメイン画面から施錠の履歴を時系列に確認できるので、万一ロックをかけた履歴がない(=ドアを閉め忘れたかもしれない)場合は、急いでわが家に引き返す必要がある。LTE/Wi-Fi経由で鍵を操作できる機能も加わってほしい。
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体当たりッ!スマート家電事始め
スマート家電の機能を使いこなせるようになれば、私たちの生活は豊かなものになるのだろうか? 実際の製品に可能な限り触れ、体験しながら、読者目線に立って攻略法を見つける新連載。執筆はAVライター山本敦氏。
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