山本敦の「体当たりッ!スマート家電事始め」
スマート照明の定番、フィリップス「Hue」マスター術(2/5 ページ)
「Hueアプリ」と「Dimmerスイッチ」~特性の違う2つのリモコン
新製品のHueホワイトグラデーションは、スマホアプリとDimmerスイッチという2つのデバイスによる操作が可能だ。それぞれの使い勝手をみていこう。
Hueホワイトグラデーションの場合、スマホアプリからはLEDランプの「明るさ」と白色の範囲内での「色調整」ができる。アプリの画面にカラーパレットが表示されるので、カーソルを移動しながら設定したい色合いに定めていく。任意の明るさと色合いをユーザーオリジナルの「シーン」として保存すれば、繰り返し使えるようになる。ちなみにHue GoやHueライトリボンプラスの場合はRGB3色LEDになるので、夕焼けや青空、若葉の色などより多彩な色調がランプを使って表現できる楽しさがある。
ホワイトグラデーションの特徴は、人の心身のバランスに照明器具が与える生物学的な影響を研究して作ったという、4つの「ライトレシピ」と呼ばれるプリセットが仕込まれていること。4種類はそれぞれ明るさが暗い方から「くつろぐ」「本を読む」(2200K~2700K)、「やる気を出す」(5000K)、「集中する」(6500K)といった具合に、それっぽい用途別の名称で区分されている。
いずれも従来のRGB3色LEDを搭載するHueでも再現できるシーンなのだが、今回の白色専用のLEDランプは、温かい白からキレのある白まで、白に特化したかたちで気持ちのメリハリ効果という、新しい付加価値を分かりやすく提案することで特徴をアピールしている製品というところに特色がある。
夜間に寝室のランプを「読書をする」に設定してみる。柔らかくて温かい雰囲気が漂う光だ。でも、ちょっと暗い。元もとランプが800lm(60W相当)と、6畳の部屋で使うには少し暗めなスペックなので、フルパワーだと1灯でもなんとか明るく感じるものの、明るさを7割以下に落とすとリラックスした雰囲気は味わえるが、視力の弱い筆者としては本がちょっと読みにくくなってしまった。むしろ部屋自体は電気を落として、ポータブルタイプのHue Goを枕元に置いて柔らかめな光に設定して手元を照らせば気持ち良く本を読めた。シーンを「集中する」に切り替えてみると、こちらは蛍光灯に近い色合いになる。部屋の壁紙が明るめの色だと反射して室内が明るく感じられるので、夜中は眠気が少し取れてしゃきっと冴えてくる。机の手元にHue Goを置いて一段と明るく照らせば仕事がさらにはかどった。
新製品のホワイトグラデーションには「Dimmerスイッチ」と呼ばれる新しいアイテムが付いてくる。スマホアプリとは別に用意された、簡易な物理リモコンである。ホワイトグラデーションのランプとコンビにして、4つのライトレシピを素速く切り替えたり、照明の明るさを微調整、あるいはオン・オフするのに便利だ。ランプとの間はZigbee方式でつながる。
このDimmerスイッチを上手に使えば、例えば1つの部屋に設置したHueのランプを合わせて10個まで一気にオン・オフすることもできる。2つの部屋に置いたHueのランプを同時に動かすこともできるので、工夫次第で色んな使い方が生まれる。
かたや今回、フィリップスではより手軽にHueを多くの人々が体験できるよう、ホワイトグラデーションとDimmerスイッチを1基ずつペアにしたミニマムなセットも発売した。ブリッジがなくても、ランプとDimmerスイッチを近づけて10秒間、スイッチの「ON」ボタンを長押しすればペアリングができて、あとはボタンの操作だけでランプが動かせる。インターネット環境や電気工事が要らない「Hue入門キット」だ。
とてもお手軽な反面、国産のシーリングライトなどにも同様のホワイトバランス調節ができる便利な照明器具がたくさんあるので、スマートなHueらしいオリジナリティがアピールできないのでは? と気になるところもある。アプリにいろいろなスマート家電のリモコンを集約できれば、リビングのテーブルまわりもすっきりとできるのに、Dimmerスイッチを選択すると物理リモコンが1台増えてしまう。善し悪しの両方を持つ悩ましい新アイテムだ。
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体当たりッ!スマート家電事始め
スマート家電の機能を使いこなせるようになれば、私たちの生活は豊かなものになるのだろうか? 実際の製品に可能な限り触れ、体験しながら、読者目線に立って攻略法を見つける新連載。執筆はAVライター山本敦氏。
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