「えんとつ町のプペル」Amazonで1位に 無料公開で宣伝効果 「クリエイターの対価問題は別の話」 西野さん、批判に反論(2/2 ページ)
「クリエイターの対価問題」に反論
一方で、西野さん自身もお金をもらわないと回らない仕事を多数抱えており、「僕は『すべてのモノを無料化しろ!』とは1ミリも思っていない」とも。ただ絵本は「お金を払いたい人は本を買い、無料で読みたい人はネットで無料で読めるモノになれるかもと思った」という。「無料で提供したところで価値は下がらないし、たくさんの人に知られてさえいれば、マネタイズは後からいくらでもできる」ためだ。
今回、本の制作スタッフには「最初の段階でお給料を全額お支払いしている」と説明。「今回の無料化で売り上げが止まったとしたら、ダメージがあるのは本の印税が給料になっている僕と出版社」だが、出版社からは無料公開の許可を得ており、担当編集者も、中心となって参加したイラストレーターの六七質さんも、無料公開を歓迎するツイートを投稿していると述べた。
人気書籍を無料公開すると、「人気作品が無料ならそれより無名な作品にお金が回らなくなり、作り手に収益が回らない」などの批判も多数あったが、「そこを同列に語り出したら、有名アーティストがYouTubeにPVをアップした時点でアウトじゃないか」と指摘。無料公開でまず知ってもらい、有料のライブに足を運んでもらう音楽ビジネスを例に挙げる。
「お金が人を支配する」時代に終焉を
「僕たちは『お金』の正体について、今一度考えなければならない」とも。西野さんはお金について「信用を数値化したもの」と定義。クラウドファンディングやオンラインサロンなど、ネットを通じて「信用をお金化する為の装置が揃ってきている」ため、「困った人を助けたらいつか自分に返って来る」という言い伝えが真実味を増していると分析。信用を“貯蓄”してお金に替えることもできるし、ただ与え続けることで信用を貯め続けることもできると指摘する。
「労働の対価=お金」が正義ととらえられ、「お金が人間を支配してしてしまっている」ことを疑問視。労働の対価としてお金をもらうか、もらわずに信頼を貯めておくかを人が主体的に決められる、「《人間がお金を使う未来》が来てもいいんじゃないかなぁと今回強く思った」という。
「2017年。僕らはもっと人を信用していい。自分から与えていっていい」「人が人を信用するときに、必ずしもお金が必要だろうか?」「時に裏切られることがあるかもしれないけれど、まずはコッチから信用しないことには始まらない」と訴えかけている。
ある小学生とのエピソードも明かした。昨年開いた個展「えんとつ町のプペル展」(クラウドファンディングで調達した資金で入場無料)の会場に現れたある小学生が「本を買いたいけれど、今、お金が無くて」とつぶやいたところ、その場にいた大人が、そばにあった「クソおみくじ」(所有者は西野さん、1回100円)の賽銭箱に次々にお金を入れ、賽銭を間接的に小学生に渡す形でカンパ。その子は大人に何度も頭を下げ、2週間後、お小遣いを貯めて買った駄菓子の詰め合わせをプレゼントしに来てくれ、「泣きそうになった」という。
お詫びと訂正:1月23日午前9時半
初出時、最終段の小学生のエピソードについて「今回の無料公開のきっかけになった」としておりましたが、無料公開のきっかけと当該エピソードは別との指摘を受け修正しました。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
GMO、ランサム被害にあった顧客に新しいPC提供へ 犯行グループは1人の顧客情報公開か
-
2
NECのルータ「Aterm」、PHP脆弱性の影響なし 設定画面URLの「.php」は無関係
-
3
GMO、不正アクセス実行犯の手がかりに懸賞金 1億5000万円規模
-
4
「楽天トラベル」に不正アクセス 顧客情報最大約260万件など流出か 予約者約3.6万件のクレカ情報も
-
5
GMO、攻撃者の公開情報に「アクセスは絶対に控えて」 悪質な拡散者には法的措置を準備
-
6
Google、プライバシーポリシーに「Gmail」「Googleフォト」のデータを広告に使う例外を追加 回避方法は
-
7
So-net、会員情報約259万件が漏えい 一部メールサービスではパスワードも流出
-
8
メアドを検索→AIで“その人専用フィッシングメール”を生成する手法、クリック率が約2.7倍に 7000人以上で実験
-
9
「自分の個人情報が漏えいした……どうすれば?」 IPAが対処法公開
-
10
IPO目論見書に「AIは人類の存亡リスク」「コードの9割はClaude製」 Anthropicが示した規格外の見立て
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR