絶版漫画を広告付きで公開「マンガ図書館Z」、月10万円得る作者も 目指すは「全マンガ蒐集」
漫画家の赤松健さんは12月24日、絶版漫画を中心にWebで無料配信する「マンガ図書館Z」上位の収益額を公開した。最も多い者には月約10万円を還元しており、絶版する古めの作品群からの収益としては「出版社からの1年分に匹敵する」規模に成長しているという。
「マンガ図書館Z」は絶版になった作品や単行本の刊行がストップした作品など、出版社が取り扱わない漫画作品を電子化し、広告付きで無料配信し、広告収入の100%を作家に還元するサービス。漫画家の新たな収入源を目指すとともに、海賊版撲滅への貢献も掲げている。
8月にGYAOと運営面で連携し、赤松さんが運営していた「絶版マンガ図書館」を「マンガ図書館Z」とリニューアル。広告収益は前身の3倍以上になっているという。
9月分の収益1位の堤抄子さんには、広告収益だけで約6万円、PDFやKDP販売を含めると計約10万円を還元する。絶版になるような古めの作品群としては「出版社からの1年分の収益報告に(1カ月だけで)匹敵する」(赤松さん)という。
これを受け赤松さんは、プロ作家にとって最も効率のよい作品発表方法として、「まず『雑誌の原稿料』をもらって、さらに『単行本の印税』でも稼ぎ終わったら、数年後にはマンガ図書館Zなどで無料公開して『読み返された分を何度も広告収益で稼ぐ』」――ことを提案している。
海賊版と戦う方策として、許諾を得た作家の作品の海賊版を海外サイトからダウンロードし、そのままアップロードする「乗っ取り型」の「ホワイト・リスト&インセンティブ作戦」も赤松さん自ら提案・展開しており、“実験”の成果を「思ったより楽で有効である」と結論付ける。
2つの実践を組み合わせ、新たに「作品データアップロード」機能を公開した。ユーザーと協力しながら(1)第3者による作品データの収集/アップロード、(2)作者の許諾、(3)広告付きで公開、(4)海賊版にダメージを与えつつ読者は無料で全巻読める――というシステムの確立を目指す。これまでと同様、権利者自身による自作のアップロードも可能だ。
「目指すは、出版社(=新作を持つ)と共同での、日本の全マンガ作品のコンプリート蒐集。ここに来れば、どんなマンガでも必ず読める(または新作を買える)。私たちの仕組みを使えば、この果てしない夢が叶うと考えております」(赤松健さん)
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