ポケモンGOの「EXレイド」は“格差”を軽減できるか
「Pokemon GO」を開発運営する米Nianticは、伝説ポケモン「ミュウツー」を数週間後に世界中のジムで出現すると発表した。ミュウツーは特別なレイドバトル「EXレイド」のレイドボスとして実装される。
EXレイドとは、招かれた人だけが参加できるexclusive(エクスクルーシブ:排他的な)なレイドバトルのこと。その仕様については既に賛否両論が渦巻いているが、否定的な意見の多くは「会社や学校を抜けて参加しろということか?」というものだろう。EXレイドに参加するには特別な“招待状”が必要で、招待状にレイドバトルが行われるジムの場所と日時が記載されているからだ。決まった日時に特定の場所に行かなければ参加できない。この柔軟性の低さが不満の大きな原因になっている。
一方、現在のレイドバトルにおける一番の問題は、人の集まりが悪いケースだろう。トレーナーの少ない地域はもちろんだが、実はジムが林立する都市部でも駅からの距離や時間帯によって人の集まりには大きな差がある。例えば住宅街のジムに伝説ポケモンが出てほかのトレーナーを待っていても、駅前で同じボスポケモンが出現していたりすると人は流れてこない。ジムが多いということは、トレーナーが分散する可能性も高まるということだ。大事なのはバランスだろう。
EXレイドは、このバランスをある程度、人為的に調整しようとするものだ。招待状が届く条件は、「過去数週間に該当のジムでレイドバトルに勝利したトレーナー」のため、少なくともそのジムに足を運ぶことができる人となる。そして日時と場所(ジム)が決まっているため、不便な場所にあるジムやこれまで人の少なかった時間帯でも人が集まる可能性が高い。なにより招待するトレーナーの数やEXレイドを実施する時間(回数)などのバランスは運営側が自在に調節、修正していけるはず。例えばトレーナーの少ない地域なら、1回のEXレイドに対して、参加条件となる過去のレイドバトル実施期間や回数を増やせばいい。人が集まりやすいというだけでも地域格差の軽減につながるだろう。
もちろん時間の融通が利かないとトレーナーは困ることになるが、運営側が過去1カ月半の間に世界中で実施したレイドバトルというビッグデータをうまく解析し、的確な需要予測をはじき出すことができれば、ある程度の自由度を作り出すことはできるかもしれない。例えばサラリーマンなら、週末に実施されるEXレイドの招待状が手元に複数あり、その中から都合にあうEXレイドを選べる程度の自由度があったらどうだろう。不満を覚える人はかなり減るのではないか。
実際にはEXレイドがどのくらいの頻度で開催されるのか分からず、1人のトレーナーがどれだけ挑戦できるのかも不明だ。現在のプレミアムレイドパスのように課金要素が絡んでくる可能性もある。はっきりしているのは、ミュウツーを皮切りに今後はEXレイドの対象となるポケモンが増えていくということ。そして招待状を受け取りたければ、自分の生活圏にある、なるべく多くのジムでレイドバトルに挑戦したほうが良いということか。それだけでも人の集まりにくいジムの活性化は期待できそうだ。
実際、EXレイドについては現時点で明らかになっている条件や仕組みより、実際の運用次第で評価は大きく変わることになる。伝説ポケモン人気をうまく活用できるか。Nianticの“次の一手”に注目したい。
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