東京五輪へ連れてって
体操界に遅れて来た“IT革命”――採点の常識覆す、富士通の挑戦(3/4 ページ)
「見えないドラマ」の発見
「視聴者も、知識がつけばより体操を楽しめますよね。今のテレビ中継の映像や解説に加え、リアルタイムで技の名前や選手がどれだけ高く跳んだかなどを付加情報として提供したい」(藤原さん)
「会場にいる人は、みんな体操ファンなんですよ。テレビの視聴者が『なんかすごい回転だな』と思っている一方で、会場の人は着地の突き刺さり具合なんかを見ている」と藤原さんは笑う。知識のない人でも、動きを見える化することで体操がより楽しめるような新たな見方を提供する考えだ。
リアルタイムで技名を表示させることで、結果的に負けてしまったとしても、「上位に食い込むためにあえて難しい技に挑戦し、失敗してしまったんだな」といった「これまで見えなかったドラマ」に気付くこともできる。「映像だけでは伝えきれないドラマが会場では起こっている。選手に対する愛情や親しみにつながれば」(藤原さん)。
採点システムとは別に、3Dセンシング技術をトレーニングに活用する試みも進んでいる。生身の体で演技する体操は、スポーツ界の中でもIT導入が遅れている競技だった。
今は、タブレットで撮影した映像をコーチが選手に見せて指導することが多いという。「トップ選手は映像を見ただけで改善点が分かるが、映像を見て分析するのが難しい選手もいる。デジタル世代の選手には、曖昧な言葉で指導するより数値化した方がイメージしやすいはず」(藤原さん)
単に「脚が曲がっている」と言うより、「脚の角度が12度ずれている」と言った方が、選手も納得感がある。3Dレーザーセンサーを当てて体をCG化すると、いろんな角度から動きをチェックできる。日本選手のメダルを1枚でも増やすべく、代表選手やコーチにヒアリングしながら可視化する項目を確認しているという。
この革新的なシステムは、他分野にも応用できる可能性を秘めている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
東京五輪へ連れてって
2020年の東京五輪に向け、スポーツ界のIT・テクノロジー活用が加速している。本連載では、最新のスポーツ×IT動向を知る各分野の専門家たちに話を聞いていく。
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
メルカリ、梨の転売疑惑に「盗品の出品は確認されず」 誹謗中傷には利用制限も
-
2
Anthropic、「Claude Opus 5」公開 Fable 5に迫る性能を半額で――サイバー安全策は緩和、拒否時は自動フォールバックも
-
3
「iPhone高騰」はこれからも続く? 中国CXMTに近づくApple、メモリ競合へのけん制が不発に終わりそうなワケ【後編】
-
4
「ニューロマンサー」実写ドラマ、Apple TV+で2027年1月配信開始へ
-
5
「こんなのに追われたら……」急斜面もやすやす爆走、中国製の車輪付き四足ロボのデモ動画が話題 最高時速20km超
-
6
海外の新作バカゲー「電車アタック」にマンガ家が感心した理由 ブッ飛んだ内容と完成度の高さ、そして“日本”
-
7
検索結果に「詐欺ではありません」と表示させる詐欺手口、警視庁が注意喚起 AI要約も餌食に
-
8
「めっちゃカメレオン」公式Discord乗っ取り 担当者PCがマルウェア感染、管理者が全員BANに 現在は復旧
-
9
暑さ対策が熱い! 「猛暑対策展」で感じた、転んでもただでは起き上がらない日本人のエネルギー
-
10
スーパーに並んだ「ごちゃごちゃ生成AIポップ」が物議 “看板王”こと、きぬた歯科院長「これはアリ」
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR