シャープ復活の「IFA 2017」 強いリーダーシップが市場を牽引する(3/4 ページ)
麻倉氏:シャープは以前からIFAの大手サポートメーカーでしたが、経営危機が表面化して2013~2014年は撤退していました。2015年にはスロバキアのUMCがブランド使用権を獲得し、この年は再びIFAに戻ってきています。
ですが2015年はUMC製品にペタペタとバッジを貼り付けただけのような、「なんだかなぁ」という“なんちゃってシャープ”なブースでした。これが2016年は一転、ブース登録上はUMCでありながらあらゆる場所にシャープロゴがあふれていて、“まるでシャープ”なブースになっていました。前年との大きな違いは単にブランドを出すだけではなく、IGZOをはじめとした技術展示もあった点です。
ヨーロッパでのブランド使用権はUMCにありましたが、単なるブランディングにとどまらず、シャープが協力して製品や技術を供給するという方向になっていました。これが大きな流れとなり、世界的に縮小傾向だったシャープが息を吹き返しました。ヨーロッパにおいては、シャープがUMCを逆買収するに至っています。
――ブランドを単なるバッジと勘違いしているうちは出てこない、大きな転換ですね。展示を見ても名前が背負う精神性が出ていたように思います
麻倉氏:これは親会社となったホンハイによる前向き効果が非常に大きく影響しています。ホンハイとしてはシャープを液晶の会社として、再びブランドを輝かせたいという思いが非常に強いのです。資金が無かった従来のシャーププロパーでは縮小の一途を辿っていましたが、ホンハイによって逆に拡大へ転じ、元気になってきました。日本ブランドが新しい次元に入ってきた、その象徴がシャープなのです。今年は特に“シャープとしてのプレスカンファレンス”がとても印象的でした。
――泰社長が冒頭に登壇して「Sharp is back.」と述べた後、さらに力強く「Sharp is back!」と重ねて宣言し、会場から大きな拍手が沸きましたね。僕にはメディアだけでなく、社員に向けても復活を印象付けようと激励したように見えました。「我々はここまで戻ってこられたんだぞ!」と
麻倉氏:シャープは早川電機以前からシャーペンを作り(これがブランド名の発端になった)、テレビの国産化や電子レンジ、液晶など、数々の技術提案をしてきたクリエイティブな会社です。そんなシャープですが、今年は“他と違う方向”を鮮明に打ち出してきたのがとても面白いですね。
近年のテレビはコモディティ化の一途を辿っています。デバイスはOLED、解像度は4K、そしてHDR。どこかがやれば各メーカーが一斉に追随し、結果としてだいたい同じような性能のモデルが並びます。ところがシャープは「将来は分からないが、当面は液晶!」「よそが4Kならばウチは8Kだ!!」と、思い切った舵取りをしてきました。昔から「創意のシャープ」と言われていますが、独自路線でもさらに“シャープに尖った方向”へ向いています。
その中核技術は8Kです。ヨーロッパでは市場がほぼ未開拓状態の今「8Kエコシステム」と称して、コンテンツクリエイションからディストリビューション、そしてデバイスという、エンドトゥーエンドのトータルなビジネスモデルを提案してきました。これは8Kをやっていない他社ではできない提案です。他社はテレビ単体を良くすることはできます。が、最上流のコンテンツから最下流のテレビまでトータルで8Kをやるというのはシャープだけ。これは同社の新しい方向です。
なぜ、このような方針を取ったのでしょうか?
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
麻倉怜士の「デジタル閻魔帳」
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
メルカリ、梨の転売疑惑に「盗品の出品は確認されず」 誹謗中傷には利用制限も
-
2
Anthropic、「Claude Opus 5」公開 Fable 5に迫る性能を半額で――サイバー安全策は緩和、拒否時は自動フォールバックも
-
3
「iPhone高騰」はこれからも続く? 中国CXMTに近づくApple、メモリ競合へのけん制が不発に終わりそうなワケ【後編】
-
4
「ニューロマンサー」実写ドラマ、Apple TV+で2027年1月配信開始へ
-
5
検索結果に「詐欺ではありません」と表示させる詐欺手口、警視庁が注意喚起 AI要約も餌食に
-
6
「こんなのに追われたら……」急斜面もやすやす爆走、中国製の車輪付き四足ロボのデモ動画が話題 最高時速20km超
-
7
海外の新作バカゲー「電車アタック」にマンガ家が感心した理由 ブッ飛んだ内容と完成度の高さ、そして“日本”
-
8
「めっちゃカメレオン」公式Discord乗っ取り 担当者PCがマルウェア感染、管理者が全員BANに 現在は復旧
-
9
暑さ対策が熱い! 「猛暑対策展」で感じた、転んでもただでは起き上がらない日本人のエネルギー
-
10
スーパーに並んだ「ごちゃごちゃ生成AIポップ」が物議 “看板王”こと、きぬた歯科院長「これはアリ」
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR