特集・ミライのクルマ
5Gで変革が起きる!? 「コネクテッドカー」の最先端(1/2 ページ)
「コネクテッドカー」とは何か? 自動車そのものが遠くの街に暮らす人と人、あるいは人と文化をコネクトするデバイスであると捉えることもできるだろうし、その定義はまだ定まっていない感じもする。今回は通信機能を装備して、インターネットにつながって人々の生活をより豊かにできる自動車と定義したうえで、その現状を考察してみたい。
既に充実している国内自動車メーカーのコネクテッドサービス
日常生活の中で自動車による移動の機会が多く、その時間も長いという方にとって、自動車は自宅やオフィスに次ぐ第2、第3の生活空間だ。いまはスマホ、その前は携帯電話を1人が1台持つようになる以前に「自動車電話」は移動体通信手段として誕生していた。これが今で言うところのコネクテッドカーの始まりだとすれば、その間に日本国内では自動車に通信機能を乗せてネットワーク接続を実現しながら、ドライバーに様々な利便性や情報を提供するテレマティクスサービスが大きく進化してきた。
国内の自動車メーカーでは、トヨタの「T-Connect」や、高級車ブランドであるレクサス向けのトータルコンシェルジュサービスである「G-Link」が有名だ。2000年代前半にスタートした「G-BOOK」を前身とするトヨタのオーナー向けサービスであるT-Connectは、専用のT-Connectナビにスマホなど自動車のオーナーが持っている通信機器をつなぐと、音声対話エージェントやインターネットを活用したスポット検索、周辺交通情報にマイカーセキュリティ機能などが無料で使えるようになる。
ユーザーのスマホを使うことで、コネクテッドカーのために別途かかる通信料金の負担を感じさせないようサービスをうまく落とし込んでいるが、T-Connectサービス対応のナビゲーションに自動車専用の通信機であるDCM(Data Communication Module)を組み合わせれば、クルマ単体でのネットワーク通信も可能になる。この場合は通信費用を含めて毎年一定のサブスクリプション料金がかかる仕組みだ。
日産自動車も同じくコネクテッドカーのプラットフォームである「NissanConnect」を、対応するナビゲーション搭載の新車購入者を対象に提供している。こちらのサービスにはカーナビによる最速ルート検索に天気やレジャー情報、スマホと連携したTwitterやGmailのテキスト読み上げなどのサービスが含まれる。マイカーと離れた位置からでもドアをロックしたり、車を停めた場所を確認できる「マイカーファインダー」などの専用スマホアプリある。新車を買った初度の登録年月から10年間は基本サービスが無料で使える。専任のオペレーターがナビの操作をサポートしてくれる有料オプションも用意する。
海外自動車メーカーの動向
海外の自動車メーカー勢では、メルセデス・ベンツにBMW、フォルクスワーゲン、ジャガーにシトロエンなどが、日本国内でもコネクテッドカーの展開に力を入れているブランドだ。中でもメルセデス・ベンツは今年の8月から、欧州で先行していた「Mercedes me Connect」を日本に持ってきた。ドライバーの「安心・安全」をサポートする機能と、運転の「快適さ」を高めるサービス、さらに車を離れてスマホだけで駐車操作ができるという「リモートパーキングアシスト」の3本柱で構成される。国内で販売されている車種ではCクラス、GLCクラス、Eクラス、Sクラスがこれに対応するようだ。
ここで注目したいのは「安心・安全」をコンセプトにする緊急連絡サービスだ。メルセデス・ベンツでは、自動車にLTE対応のSIMを内蔵して専用通信機を常時オンラインにする機能をコネクテッドカーに搭載している。万が一の車両故障、あるいは交通事故が発生した場合には自動的に緊急通話が専用のコールセンターにかかる仕組み。同様の緊急通信機能は同社のライバルであるBMWのコネクテッドカーも搭載する。事故発生時にドライバーが気を失ってしまっても人命救助の確立を高められることから、欧州の安全性試験機関ではこの機能を各社のコネクテッドカーに広く実装するよう働きかけているという。
スマホアプリでマイカーの現在位置を調べたり、走行データを記録・診断できるといった内容の「快適・便利系」の機能は様々なメーカーのコネクテッドカーが充実させてきたが、日本と海外で同様の機能が異なるトーンでアピールされている場合もある。例えばマイカーの位置情報検索。海外ではこれを「盗難防止」のための機能としてうたっているが、日本では例えば「広い駐車場でマイカーの位置が分からなくなったときに便利」と表現していることが多い。
スマートホームの場合は代表的なIoTデバイスである「Webカメラ」が、海外では侵入者を記録するための「セキュリティカメラ」と呼ばれるのに対し、日本では遠くに住む家族のための「見守りカメラ」として名前と用途がややソフトになることに似ている。元は欧米のよりクリティカルなニーズに応えるために生まれた機能が、日本に入ってきた時に若干フォーカスがぼやけてしまうのだろうか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
メルカリ、梨の転売疑惑に「盗品の出品は確認されず」 誹謗中傷には利用制限も
-
2
Anthropic、「Claude Opus 5」公開 Fable 5に迫る性能を半額で――サイバー安全策は緩和、拒否時は自動フォールバックも
-
3
「iPhone高騰」はこれからも続く? 中国CXMTに近づくApple、メモリ競合へのけん制が不発に終わりそうなワケ【後編】
-
4
「ニューロマンサー」実写ドラマ、Apple TV+で2027年1月配信開始へ
-
5
「こんなのに追われたら……」急斜面もやすやす爆走、中国製の車輪付き四足ロボのデモ動画が話題 最高時速20km超
-
6
海外の新作バカゲー「電車アタック」にマンガ家が感心した理由 ブッ飛んだ内容と完成度の高さ、そして“日本”
-
7
検索結果に「詐欺ではありません」と表示させる詐欺手口、警視庁が注意喚起 AI要約も餌食に
-
8
「めっちゃカメレオン」公式Discord乗っ取り 担当者PCがマルウェア感染、管理者が全員BANに 現在は復旧
-
9
暑さ対策が熱い! 「猛暑対策展」で感じた、転んでもただでは起き上がらない日本人のエネルギー
-
10
スーパーに並んだ「ごちゃごちゃ生成AIポップ」が物議 “看板王”こと、きぬた歯科院長「これはアリ」
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR