DeNAのエンジニアが「ゲーム」から「自動車」事業に異動して活躍できるワケ(3/3 ページ)
ロボネコヤマトは、車内に保管ボックスを設置した電気自動車(EV)を活用。ユーザーがスマホを通じて荷物を受け取る場所と時間帯を指定すると、配送してくれる。現時点ではドライバーが運転しているが、将来は無人運転車の導入を想定している。
小林さんたちは、実際にスマホから注文、配達までを一通り体験した。「ユーザーにとって不便な点、停車位置など気付きがあった。ただ画面の中でデータのやりとりをするだけでなく、われわれが作ったシステムが画面の向こう側でどう動いているかを体験してほしかった」(小林さん)
「これまでは仮想世界で仕事をしていたので、本当にモノがある世界に飛び出すと思慮が足りない部分も出てくる、そんな難しさがある」(放地さん)
「戦略的に複数のプロジェクトを進めている」
オートモーティブ事業は、DeNAが育てる“次世代の柱”の1つだ。同社の南場智子会長は、11月の決算説明会で「主力のゲーム事業と匹敵する柱を2025年には複数立てたい」と話し、EC・ネットサービス、ヘルスケア、スポーツと並んでオートモーティブを例に挙げた。より安定した会社経営を目指し、ポートフォリオを拡大していく中で、オートモーティブ事業は投資を受けているという。
「オートモーティブ事業では、戦略的に複数のプロジェクトを進めている」と小林さん。まず15年9月、スマホアプリを通じてクルマを貸したい人と、クルマを借りたい人をマッチングするCtoC(消費者-消費者間)カーシェアサービス「Anyca」(エニカ)を始めた。16年8月以降、無人運転バスを使った交通サービス「Robot Shuttle」(ロボットシャトル)も各地で実証実験を繰り返している。こうしたプロジェクトが単体としてだけでなく、互いに連携してシナジーを発揮していくと見込む。
例えば、カーシェアが普及すると同時に自動運転の技術が発展する未来を、小林さんはイメージする。ユーザーが仕事に行っている間、駐車場に止めたクルマを他のユーザーが借りたいとき、クルマが無人で借りたい人の場所まで出向き、ニーズを満たして戻ってくる――そんなサービスも「現実的にできなくはない」(小林さん)。
「カーシェアや自動運転のプロジェクトなどで蓄積したノウハウを複合することで初めて実現できるサービスがある。現時点では複数のプロジェクトを立ち上げ、世の中に受け入れられるか、他にビジネスが生まれるか、戦略的に考えていきたい」
クルマに乗車中もユーザーに楽しんでもらうには、エンターテインメント分野やゲーム分野とのシナジーも生まれそうだ。「いまのオートモーティブ分野は、変革の時代にあると思っている。技術が確立して当たり前のフローになる前に、どう効率よく組み立てるか、試行錯誤しているのが楽しい」(放地さん)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
なぜ酒蔵の許諾なしに? 「VTuberコラボ日本酒」騒動、主催者が経緯説明 仲介者による調整で「準備進んでいると認識」
-
2
「食事量は1日1200kcal以下、でも肥満」な人を14日間追跡調査 痩せない理由は……米コロンビア大などの研究
-
3
本物そっくり“AI生成レシート“が経費精算の脅威に マネフォ「自力で見破るのは難しい」 企業はどう備える?
-
4
かっぱ寿司「配布前のコラボグッズ、フリマで買わないで」 プリキュアコラボ発表日に注意喚起
-
5
「菜の花がおかしい」――イラストレーター制作うたうマラソン大会ポスターに指摘相次ぐ 事務局がAI使用明かす【訂正あり】
-
6
「ペンギンを返して」→「3匹全部採用して」 批判殺到のSuica新キャラ、ファンアートが空気を変えた? SNSの声
-
7
藤井風のリサイタル、公式サイトがインターネット老人会すぎると話題 公民館のチラシみたいだけど東京ドーム開催
-
8
「iPhone Duo」純正ケース話題、「面白いけど高い」……1万4800円と2万4800円
-
9
松本デジタル相、24.6万件漏えい可能性について説明 「既知の脆弱性を対応前に悪用」
-
10
デジタル庁に不正アクセス、個人情報24.6万件漏えいか 各府省庁の職員情報など
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR