ロボットがコーヒーを入れる「変なカフェ」 渋谷にオープン

 ロボットがドリップコーヒーを提供する「変なカフェ」が、東京・渋谷に2月1日オープンする。その内覧会があったので行ってきた。

変なカフェ ロボットがドリップコーヒーを提供する「変なカフェ」

 変なカフェはアームロボット「Sawyer」1機と、コーヒー豆のセットやトラブル対応などをするスタッフ“0.5人”で運営するカフェ。発券機にお金を入れ、注文したい商品を選択するとQRコードが付いた紙が発券される。

変なカフェ 発券機
変なカフェ 発券機から出てきたQRコード。QRコードには、2つの情報(商品番号とシリアル番号)が入っている

 紙コップを指定の位置に置き、先ほどのQRコードをバーコードリーダーにかざすと、ロボットのプログラムが再生され、あらかじめ設定された軌道通りに動く。指定の位置に置かれた紙コップをつかむと、フィルターがセットされた台(Poursteady)に紙コップを移動。その後、フィルターの外に取り付けられた透明の枠をつかみ、コーヒー豆を削る機械の近くへと持っていく。

変なカフェ QRコードをかざすと、ロボットが動き出す

 続いて、コーヒー豆をひく作業へ。銀色の計量カップのようなものを機械に押し当てると、削られたコーヒー豆が出てくる。そのカップを先ほどのフィルター上部まで持っていき、逆さにして豆をフィルターの中へ落とす。

 コーヒー豆が入ったフィルターを台に戻すと、いよいよコーヒーを入れる作業に。すると、台に設置されたノズルからお湯が出てくる。しかし、お湯が出てくるのはフィルターをセットした場所とは異なる。理由は、ここで温度の調整をするため。調整が終わると、セットしたフィルターの上部からお湯が出て、コーヒーが濾される。

 ドリップの時間は2分30秒ほど。センサーではなく、時間が経過するとロボットが受け取りカウンターへとコーヒーを移動させる。受け取りカウンターに設置したタブレットには番号が表示され、その番号と同じQRコードを持っている人がコーヒーを受け取る仕組みだ。

変なカフェ 本格ドリップコーヒーのを注ぐ台

 受け取りカウンターにコーヒーを置いたあと、Sawyerは手を振ってバイバイをするかのような動作をし、「アトカタズケ、アトカタズケ」と言いながらフィルターの中に入った豆を捨てて洗浄。洗浄が終わると、元の位置にフィルターを戻し、プログラムが終了する。

 センサーは空のコーヒーカップを置く場所と取る場所にしか設置しておらず、土台が10センチずれるとうまく作動しないという。センサーを最小限にしたのは、コスト削減のため。ロボットは発券機とも連携しておらず、あくまでのQRコードを読み取った時点で作動するよう設計されているという。

変なカフェ 出来上がった本格ドリップコーヒー
変なカフェ ロボットが洗浄まで行うが、デモンストレーションでは洗浄後もコーヒー豆がフィルターに付着していたのが気になった

 現時点では2~3杯分連続ででき、フル稼働の場合は1時間で60杯分入れることが可能。また、限定的ではあるが割り込み処理が行える時間を用意しており、その時間であれば前に使ったフィルターの洗浄など他の処理ができるという。

 前に並ぶ台で作業をするのは「本格ドリップコーヒー」(税込320円)のみで、他のメニュー(アメリカーノ、カフェラテ、カプチーノ、ココア、カフェモカ、抹茶ラテ)は裏にある別の機械のボタンを押して入れてくれるという。本格ドリップコーヒーの提供時間が3~4分なのに対し、それ以外のメニューは2~3分(入れている時間は1分半くらい)。

 コーヒー豆を機械にセットする役目や、フィルターを半日に1度取り換える作業は人間が担当。デモンストレーションでは、受け取りカウンターに置く際にうまく既定の場所に置けずこぼしてしまうといったハプニングが2回ほど起こったが、それらのハプニングに対応するのも人間の役割だ。――「世話は人間、仕事はロボットが行う」(担当者)。

変なカフェ タブレットに注文番号が表示される
変なカフェ 「本格ドリップコーヒー」専用の台
変なカフェ 奥に、「本格ドリップコーヒー」以外のメニューに対応する機械がある。今回稼働している様子を見ることはできなかったが、ロボットがボタンを押して操作するという

 変なカフェは、エイチ・アイ・エス(以下、H.I.S)が運営。H.I.Sグループが展開する「ハウステンボス」や「変なホテル」で培ったロボットのノウハウを生かしたという。

 「今後変なホテルとの連携も視野に、まずは旅行の窓口となるH.I.S店舗内に併設する。旅の計画をワクワクしながら立てる際に、利用してほしい」(担当者)

太田智美

印刷する
SNSでシェア
SpecialPR

この記事の著者

太田智美
太田智美

小学3年生より国立音楽大学附属小学校に編入し、小・中・高とピアノを専攻。大学では音楽学と音楽教育(教員免許取得)を専攻し卒業する。 その後、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科に入学。人と人とのコミュニケーションで発生するイベントに対して偶然性の音楽を生成するアルゴリズム「おところりん」を生み出し、「おところりん:ソーシャルネットワークにおける偶然性を用いた音楽生成(Otocororin: a chance music for social network systems) (http://koara.lib.keio.ac.jp/xoonips/modules/xoonips/download.php/KO40001001-00002010-0075.pdf?file_id=44931) 」を修士論文として提出。同研究は、情報処理学会 第12回「Internet and Operation Technology(IOT)」研究会において学生奨励賞を受賞。 同大学院を修了後、2011年にアイティメディア株式会社に入社。営業配属を経て、2012年より@IT統括部に所属し、技術者コミュニティ支援やイベント運営、記事執筆などに携わる。2014年4月から2016年3月までねとらぼ編集部に所属。2016年4月よりITmedia ニュースに配属される。これまでの代表作は「世の中やっぱり金でした 71万円の大金を積んで誰よりも早く『iPhone 6 Plus』の使い勝手を検証してみた (http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1409/10/news139.html) 」「スケスケでまるみえじゃないですか! 人によっては透明に見えるドレスを作ってみた (http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1502/27/news152.html) 」「あの日、Twitterのくじらが出なかったもう1つの理由 (http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1401/08/news082.html) 」「ゆとり世代が問う『好きなことをやって何が悪い!』(シリーズ) (http://www.itmedia.co.jp/keywords/yutori_generation.html) 」「はじめてのAI(連載) (http://www.itmedia.co.jp/news/series/5264/) 」など。 Twitter:@tb_bot (https://twitter.com/tb_bot)

関連記事

こんなメディアも見られています

ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。

メールマガジンを配信中
メールマガジンを配信中

国内外の業界動向、AIやクラウドなどの最新技術、キャリア情報など今知りたい情報をまとめてお届けします。

いますぐご登録

本日の新着記事

アクセスランキング

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10

ITmedia NEWS SNS

X @itmedia_newsをフォロー

インフォメーション

ITmediaNEWSをフォロー

あなたにおすすめの記事PR