新連載:ITの過去から紡ぐIoTセキュリティ

史上最悪規模のDDoS攻撃 「Mirai」まん延、なぜ?(2/4 ページ)

 感染を招いたポイントはいくつかありますが、最も大きな要因は、機器がインターネットからオープンにアクセスできる状態になっており、かつ容易に推測可能な、あるいは公になっているIDとパスワードが設定されていたことです。

 これまでもITmedia NEWSは、「123456」や「password」といった「最悪のパスワード」に関するニュースを取り上げてきました。こうした安易で誰でも推測できるパスワードは、第三者によるなりすましや不正アクセスを招きやすいものです。

photo 米SplashDataが発表した2017年の「最悪のパスワード」=同社サイトより

 そこでITセキュリティのベストプラクティスとして、一定以上の長さを持ったり、記号などを組み合わせたパスワードを設定することが推奨されています(そのために、パスワード設定のたびに悩む人も多いと思います)。また、数年前から複数のシステムやサービスで同一のパスワードを使い回すユーザーを狙った「不正ログイン」攻撃が横行したことを背景に、システムやサービスごとに異なるパスワードを設定することの大切さも訴えられるようになってきました。

 IoT機器のパスワードにも、ITシステムと同じことが言えます。形は全く違いますが、中に入っているのは汎用的なOSであり、安易なパスワードのままでは悪意を持った第三者がユーザーになりすまして不正アクセスされる恐れがあります。その結果、情報の盗み見や勝手な設定変更、悪意あるソフトウェアのインストールといった操作が行われる可能性があるのです。

 Miraiはまさに、こうした弱いパスワードを狙って感染を広げました。いくつかの報道によると、Miraiは「ID:root、パスワード:admin」といった安易なIDとパスワードの組み合わせ62種類をリスト化し、インターネットにつながっている組み込み機器やIoT機器にアクセスして総当たりでログインを試しました。そして、パスワードが出荷時のまま変更されていなかったり、ありがちなパスワードが設定されていたりでログイン可能な端末があると、これ幸いと管理者としてログインし、さまざまな探索・攻撃活動を行いました。

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ITの過去から紡ぐIoTセキュリティ

家電製品やクルマ、センサーを組み込んだ建物そのものなど、あらゆるモノがネットにつながり、互いにデータをやりとりするIoT時代が本格的に到来しようとしています。それ自体は歓迎すべきことですが、IoT機器やシステムにおける基本的なセキュリティ対策の不備が原因となって、思いもよらぬリスクが浮上しているのも事実です。 この連載ではインターネットの普及期から今までPCやITの世界で起こった、あるいは現在進行中のさまざまな事件から得られた教訓を、IoTの世界に生かすという観点で、対策のヒントを紹介していきたいと思います。

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