新連載:ITの過去から紡ぐIoTセキュリティ
史上最悪規模のDDoS攻撃 「Mirai」まん延、なぜ?(2/4 ページ)
感染を招いたポイントはいくつかありますが、最も大きな要因は、機器がインターネットからオープンにアクセスできる状態になっており、かつ容易に推測可能な、あるいは公になっているIDとパスワードが設定されていたことです。
これまでもITmedia NEWSは、「123456」や「password」といった「最悪のパスワード」に関するニュースを取り上げてきました。こうした安易で誰でも推測できるパスワードは、第三者によるなりすましや不正アクセスを招きやすいものです。
そこでITセキュリティのベストプラクティスとして、一定以上の長さを持ったり、記号などを組み合わせたパスワードを設定することが推奨されています(そのために、パスワード設定のたびに悩む人も多いと思います)。また、数年前から複数のシステムやサービスで同一のパスワードを使い回すユーザーを狙った「不正ログイン」攻撃が横行したことを背景に、システムやサービスごとに異なるパスワードを設定することの大切さも訴えられるようになってきました。
IoT機器のパスワードにも、ITシステムと同じことが言えます。形は全く違いますが、中に入っているのは汎用的なOSであり、安易なパスワードのままでは悪意を持った第三者がユーザーになりすまして不正アクセスされる恐れがあります。その結果、情報の盗み見や勝手な設定変更、悪意あるソフトウェアのインストールといった操作が行われる可能性があるのです。
Miraiはまさに、こうした弱いパスワードを狙って感染を広げました。いくつかの報道によると、Miraiは「ID:root、パスワード:admin」といった安易なIDとパスワードの組み合わせ62種類をリスト化し、インターネットにつながっている組み込み機器やIoT機器にアクセスして総当たりでログインを試しました。そして、パスワードが出荷時のまま変更されていなかったり、ありがちなパスワードが設定されていたりでログイン可能な端末があると、これ幸いと管理者としてログインし、さまざまな探索・攻撃活動を行いました。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
ITの過去から紡ぐIoTセキュリティ
家電製品やクルマ、センサーを組み込んだ建物そのものなど、あらゆるモノがネットにつながり、互いにデータをやりとりするIoT時代が本格的に到来しようとしています。それ自体は歓迎すべきことですが、IoT機器やシステムにおける基本的なセキュリティ対策の不備が原因となって、思いもよらぬリスクが浮上しているのも事実です。 この連載ではインターネットの普及期から今までPCやITの世界で起こった、あるいは現在進行中のさまざまな事件から得られた教訓を、IoTの世界に生かすという観点で、対策のヒントを紹介していきたいと思います。
この記事の著者
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
なぜ酒蔵の許諾なしに? 「VTuberコラボ日本酒」騒動、主催者が経緯説明 仲介者による調整で「準備進んでいると認識」
-
2
「食事量は1日1200kcal以下、でも肥満」な人を14日間追跡調査 痩せない理由は……米コロンビア大などの研究
-
3
本物そっくり“AI生成レシート“が経費精算の脅威に マネフォ「自力で見破るのは難しい」 企業はどう備える?
-
4
かっぱ寿司「配布前のコラボグッズ、フリマで買わないで」 プリキュアコラボ発表日に注意喚起
-
5
「菜の花がおかしい」――イラストレーター制作うたうマラソン大会ポスターに指摘相次ぐ 事務局がAI使用明かす【訂正あり】
-
6
「iPhone Duo」純正ケース話題、「面白いけど高い」……1万4800円と2万4800円
-
7
デジタル庁に不正アクセス、個人情報24.6万件漏えいか 各府省庁の職員情報など
-
8
「ペンギンを返して」→「3匹全部採用して」 批判殺到のSuica新キャラ、ファンアートが空気を変えた? SNSの声
-
9
藤井風のリサイタル、公式サイトがインターネット老人会すぎると話題 公民館のチラシみたいだけど東京ドーム開催
-
10
OpenAI、最先端AI開発の減速を検討か アルトマンCEOが社員に説明と米報道
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR