日本はアピール不足? 「MWC 2018」で見つけた欧州の最新コネクテッドカーたち(1/3 ページ)
去る2月下旬にスペイン、バルセロナで世界最大級の通信関連展示会「Mobile World Congress 2018」が開催された。早ければ来年2019年にも商用サービスがスタートするといわれている、次世代の高速移動通信システム「5G」に関連する展示が今年は特に多く並んだ。モバイル端末にホームネットワーク、スマートシティなど5Gを取り巻く次世代の技術やサービスが集まるMWCの会場で、最新のコネクテッドカーと関連サービスについて取材した。
2019年の商用化に向け準備が進む「5G」の技術
5Gの通信技術には大きく分けて28GHz帯など高周波帯を使う「ミリ波帯」と、6GHz帯以下の低周波数帯をメインにした「サブ6GHz帯」の2種類がある。サブ6GHz帯の特性は4G LTE以前の通信方式との高い後方互換性にあるとされているが、来たるべき5Gの時代に膨大な通信トラフィックを安定的にさばくために必要なキャパシティはミリ波帯の広大なリソースを活かすことで実現できるとする向きもある。そのため、電波の指向性コントロールや通信エリアのカバーなどの面でより難易度が高いとされているミリ波帯をベースにした5G技術の進展にも期待が寄せられている。
インテルは28GHz帯のミリ波による通信に対応した車載用アンテナ搭載のコネクテッドカーを試作。5Gモビリティ通信の実証実験に成功したことを今年のMWCのブースであらためて紹介した。
実験の内容は30km/hの速度で移動するコネクテッドカーに、リアルタイムの4K動画を最大1Gbpsのデータ通信速度で伝送しながらライブ映像配信を行うというもの。同実験には日本のNTTドコモやトヨタ自動車、エリクソンなどの企業も参加している。日本でも17年11月に、お台場で複数の5G基地局にまたがる走行実験に成功したことがプレスリリースで伝えられており、また韓国で開催された冬季オリンピックに合わせて、KT(Korea Telecom)の5Gネットワークを利用して、同様に5G対応のコネクテッドカーによる実験を成功させている。
今後は車載用アンテナやレシーバーモジュールの小型化・計量化を図りながら商用に向けた取り組みを加速していく段階だ。インテルでは2020年に向けてNTTドコモとトヨタ自動車とともに、東京オリンピックの現場で5G対応のコネクテッドカーを走らせるための技術開発についてパートナーシップを強化することを発表している。
今年クアルコムがMWCに出展したブースも「5G」一色に染まっていた。同社ではミリ波帯とサブ6GHz帯の両方の技術に関連した取り組みが着実に前へ進んでいることを強くアピールした。
MWCの開催前に米サンフランシスコで実施した試験では、ミリ波帯に対応する5Gモデムを現在稼働している既存の4Gの基地局にセットして、エリアカバーが弱点とされている5Gの通信を使いながら、屋外トラフィックの約65%で良好なスループットを実現できることを証明したという。ミリ波帯の5G通信にトラフィックを分散できれば、これに伴って4G LTEエリアのスループット向上にも良い効果がもたらされるだろうと、クアルコムの担当者はコメントしている。またドイツのフランクフルトではサブ6GHz帯の通信システムをベースにしたフィールドテストを行い、同じく望ましい結果がえられているという。
クアルコムでは今、エリクソンにノキア、ファーウェイに代表される基地局インフラのベンダーとの間で5G対応モデムチップセットの相互接続データテスト(IoDT:Interoperability Development Test)を精力的に行っている。テストを経て次々と浮き彫りになる課題を早急につぶしながら5G通信のバックヤードが整備されてくると、次にはいよいよ5G対応の基地局設備やモバイル端末の開発が進められることになる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
GMO、ランサム被害にあった顧客に新しいPC提供へ 犯行グループは1人の顧客情報公開か
-
2
資さんうどん、従業員の退職理由などが外部から閲覧可能に 委託先の勤怠システムに設定不備
-
3
NECのルータ「Aterm」、PHP脆弱性の影響なし 設定画面URLの「.php」は無関係
-
4
GMO、不正アクセス実行犯の手がかりに懸賞金 1億5000万円規模
-
5
GMO不正アクセスの犯人サイト、ドメイン停止を確認
-
6
「楽天トラベル」に不正アクセス 顧客情報最大約260万件など流出か 予約者約3.6万件のクレカ情報も
-
7
メアドを検索→AIで“その人専用フィッシングメール”を生成する手法、クリック率が約2.7倍に 7000人以上で実験
-
8
So-net、会員情報約259万件が漏えい 一部メールサービスではパスワードも流出
-
9
GMO、攻撃者の公開情報に「アクセスは絶対に控えて」 悪質な拡散者には法的措置を準備
-
10
Google、プライバシーポリシーに「Gmail」「Googleフォト」のデータを広告に使う例外を追加 回避方法は
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR