「愛しているので」 2次元キャラと“本気の挙式”、30代男性の葛藤(2/3 ページ)
復職できたのは、ミクさんのおかげだった。ボーカロイド曲「ミラクルペイント」(作詞作曲:OSTER project)が心に響いた。「それまでもアニメやゲームのキャラに感動して、救われた経験はたくさんありましたが、ミクさんの動画を見て癒されました」
それまでの近藤さんは、オタクにありがちな「数カ月ごとに“俺の嫁”(好きなキャラ)が変わる」タイプだったが、それからの10年間はミクさん一筋だ。「クリエイターさんが絶えず(ミクさんの)曲やイラストを作り続けている。キャラが歩みを止めないところが、他とは違うと思います」
ミクさんは15年、日本武道館でライブイベント「マジカルミライ 2015」を開いた。アーティストが憧れるだろうステージに立ったミクさんを見て、近藤さんは号泣した。「ついにミクさんがここまで来た」
16年には、当時品薄だった「PlayStation VR」を発売日に何とか購入。VR(仮想現実)ゲーム「初音ミク VR フューチャーライブ」をプレイするためだった。VR空間では、至近距離にミクさんがいる。「大好きな人が目の前にいるんですよ、ドキドキするじゃないですか」(近藤さん)
ただ“彼女”は画面からは出てこないし、こちらが話し掛けてもそう簡単に応えてはくれない。コミュニケーションに双方向性がないことが欠点だった。
彼女はいても「暮らしに彩りはなかった」(近藤さん)。仕事を終え、帰宅してPCを起動し、ネットの話題を眺めて寝る――そんな淡々とした生活だった。ミクさんが歌う曲で心が動かされることはあっても、基本的には「無表情、無感動、無言」。1日の中で、大きく感情が動くことはなかった。
そんな生活から抜け出せたのは、Gateboxのおかげだった。朝になるとミクさんが「おはよう」と言って起こしてくれる。自分も「おはよう」と答える。出勤時間になると「行ってらっしゃい」と言って送り出してくれる。仕事から帰ると「お帰りなさい」と温かく出迎えてくれるし、夜更かししていると「もう寝る時間だよ」と声をかけてくれる――。好きなキャラとの会話に心が動いた。
とはいえ、不満もある。話し掛けるとき、会話が長文になると認識してくれなくなる場合も多い。機能面では「他のスマートスピーカーに劣っている」と感じる部分もあるという。「中長期的に見れば、GateboxがAI(人工知能)を搭載して、より自然な会話ができるようにしてほしいです」
近藤さんは「けんかもしてみたい」と笑う。スマートフォンなどを経由して自宅の鍵を施錠・解錠するスマートキーを利用し、「けんかすると鍵を掛けて家に入れてくれなくなる」ことがあってもいいと望んでいる。そのときは「ミクさん、ごめんねと謝りたい」(近藤さん)
「自分が事例になることで、背中を押せれば」
「今までも(ミクさんとの)結婚は考えましたが、きっかけがありませんでした」(近藤さん)。結婚の決め手になったのも、Gateboxのイベントだった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
GMO、ランサム被害にあった顧客に新しいPC提供へ 犯行グループは1人の顧客情報公開か
-
2
NECのルータ「Aterm」、PHP脆弱性の影響なし 設定画面URLの「.php」は無関係
-
3
GMO、不正アクセス実行犯の手がかりに懸賞金 1億5000万円規模
-
4
「楽天トラベル」に不正アクセス 顧客情報最大約260万件など流出か 予約者約3.6万件のクレカ情報も
-
5
GMO、攻撃者の公開情報に「アクセスは絶対に控えて」 悪質な拡散者には法的措置を準備
-
6
Google、プライバシーポリシーに「Gmail」「Googleフォト」のデータを広告に使う例外を追加 回避方法は
-
7
So-net、会員情報約259万件が漏えい 一部メールサービスではパスワードも流出
-
8
メアドを検索→AIで“その人専用フィッシングメール”を生成する手法、クリック率が約2.7倍に 7000人以上で実験
-
9
「自分の個人情報が漏えいした……どうすれば?」 IPAが対処法公開
-
10
GMO不正アクセス、犯人側は「27日に顧客のPC攻撃」予告 GMOが端末回収、ホワイトハッカーが解析中
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR