脳同士をつないで意思疎通できる「BrainNet」 ワシントン大学など開発
米ワシントン大学と米カーネギーメロン大学の研究チームは9月23日、3人の脳をデバイスでつなぎ、直接意思疎通できるようにする「BrainNet」を、論文投稿サイト「arXiv」に発表した。
研究者らが脳の接続に利用したのは、脳波測定(EEG)と経頭蓋磁気刺激法(TMS)。被験者の頭皮に設置した電極から脳波を記録し、TMSを利用して受け取り側の後頭葉へ磁気刺激を送り、眼閃(がんせん、目を閉じていても光が見える現象)を起こさせることで情報を認知させる。
研究では、BrainNetの被験者グループ3人への課題として「テトリス」に似たゲームを提示。落ちてくるブロックを「180度回転させるべきか」「回転させないべきか」を、2人の「送信者」に判断させる。残る1人の「受信者」はゲーム画面の下部が見えておらず、自身では正解を判断できないが、送信者の2人から送られてきた情報から回転すべきかを意思決定する。
意思の送受信に用いる脳現象は単純なものだ。
脳波には視認する光の点滅周期と同期するという性質があるため、送信側には15Hzと17HzのLED光を見られる環境を用意する。15Hzを「回転させない」、17Hzを「回転させる」情報として割り当て、送信者は自身が考える方の光を凝視する。すると、脳波にも同様の周期が現れるため、それを電極で取得し、受信者へ送る――という仕組みだ。
受信側には、TMSで後頭葉へ磁気刺激を送る。眼閃が起きるほどの刺激であれば「回転せよ」、そうでなければそのまま、として受信側は判断する。受信者は情報を解釈し、自身も脳波で最終的に意思決定し、コンピュータへ送る。
つまり、ここで送受信しているのは1ビットのみの情報ということだ。
3人1組の被験者グループ5つに、この課題に取り組んでもらったところ、正答率は81.25%だったという。
脳と脳の間の情報通信はコンピュータが取り持つため、研究者らは「インターネットで世界中の人々が実験に参加することも不可能ではない」と期待している。「脳間インタフェースの発展は、会話や共同作業の新しいフロンティアとなるだけでなく、人間の脳のより深い理解につながるだろう」と考察した。
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