「敗軍の将語らず」 バンク独立のDMM、70億円で買収→5億円で手放す
「敗軍の将語らずです」――持ち物を現金化するアプリ「CASH」を手掛けるバンク(東京都渋谷区)がDMM.comから独立することを受け、DMMグループの亀山啓司会長は11月7日、Twitter上にそう投稿した。DMM.comは昨年10月末、バンクを70億円で買収したが、1年余りで、バンクの創業者がMBO(経営陣買収)を実施し5億円で買い戻すことになった。単純計算で65億円の損失だ。
バンクは昨年2月に創業。ブランド品やスマートフォンなどを即座に現金化できるアプリ「CASH」を昨年6月にリリースし、サービス開始から16時間半で現金化総額が約3億6600万円に上るなど話題に。創業からわずか8カ月でDMM.comが70億円で買収した。
買収後、DMMグループが運転資金として20億円を貸し付け、「保有するサービス基盤や人材の提供を通じて、バンクの支援を推進した」(DMM.com)という。バンクは今年6月、代金後払いで旅行に行けるアプリ「TRAVEL Now」をリリースするなど、CASH以外の事業創出にも取り組んでいた。
しかしバンクの創業者・光本勇介CEOがMBOを実施し、DMM.comが保有するバンクの全株式を11月7日付で買い取った。光本CEOは自身のブログで「年末に近づき、来年の各事業のチャレンジや新規事業などを考えていく過程で、私がイメージする投資規模やアクセルの踏み具合などを考えたとき、DMMから卒業をさせていただいた方が、よりスピーディで柔軟な経営判断・動きが行えると判断をしました」とコメントしている。
DMM.comの発表によれば、バンクへの貸付金20億円は、光本CEOがバンクを引き続き運営することで、5年間で返済するという。
光本CEOは、DMMグループを「現代の最高にイケている商社」「あまりにも事業数が多く、そしてどの事業も普通に単体で上場できそうなものばかり」と評する。近年、動画配信に限らず、事業の多角化を進めるDMMだが、その一角を担う予定だった巨額の買収劇は“失敗”に終わった形だ。しかし、亀山会長はTwitter上で「今後もDMMは積極的に投資を続けていく」と前向きな姿勢を示している。
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