これからのAIの話をしよう(接客ロボット編)
前例ない“Pepperの接客” はま寿司のキーマンは「新規プロジェクト」で社長をどう説得したか(3/4 ページ)
「社長から『本当にできるのか?』と言われましたが、実際にデモ機がどう動くかを社内で見せると『はぁ、そういうことか。何だか面白そうだね』と言ってもらえました。社内では『面白そう』という反応が多く、そこからはトントンと進んでいきましたね」
前例のない「ロボットによる接客」というプロジェクトとあり、紙ベースでの議論では具体的なイメージを共有できません。そこで、さっさとプロトタイプを作ってしまったという池ノ上さん。目の前にあるを基に議論することで、「もっと、こうしたら良いんじゃない?」という前向きな議論も始まったようです。前例がなくイメージを共有しにくい新規プロジェクトを進めるには、まず手を動かしてプロトタイプを作ってしまうのも重要なのかもしれません。
テスト導入したPepperは「1時間半で止まった」
完成した試作機で、いよいよテスト的に導入をスタート。まずは1店舗で始めましたが、最初は苦労の連続だったようです。まず、通い慣れた店に突然Pepper君が登場したことでお客さんが困惑します。
来店すると「いらっしゃいませー、ご案内しまーす」と、おもてなしをしてくれるPepper。しかし、お客さんは従業員に助けを求めるような視線を向け、「あの、2名なんですが……」と話しかける――そんな状況が続いたそうです。
お客さんにPepperを使って発券してもらうよう説明するのは従業員です。中には「私たちが案内した方が早いのでは」と考える熟練者スタッフの方もいたようで、従業員にもお客さんにもPepperに慣れてもらうための準備期間が必要でした。
そして、一番気掛かりだったのは「Pepperが突然止まってしまったらどうしよう」という不安。案の定、絶え間なく来店するお客さんを前に、Pepperは1時間半ほどで止まってしまいます。
池ノ上さんも「運用やメンテナンスは大変でした」と苦労を振り返ります。
「Pepperは止まっている印象が強く、社内でもそれを懸念する声は多かったです。店舗で実験する前に、1日当たり2000~3000人来店しても大丈夫か、満席になっても動くかなど、さまざまな観点で検証しましたが、結局は1時間半で止まってしまった。いったん引き揚げて、そこから改良が始めました」
1時間半で止まったのには、理由がありました。外食業としておもてなしを重視し、ボディーランゲージを重視した設計にしたため、負荷が掛かったのです。
池ノ上さんは「接客ロボットとして、お客さんのあいさつに対し、手を上げて反応するような動きが欲しかったんです。しかし、関節部分に負荷が掛かって止まってしまったため、それを改善しました」と説明します。
休まず長時間働けるのがロボットのメリットだと思っていましたが、人間と同じくロボットにも休む時間は重要なようです。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
これからのAIの話をしよう
いま話題のAI(人工知能)には何ができて、私たちの生活に一体どのような影響をもたらすのか。AI研究からビジネス活用まで、さまざまな分野の専門家たちにAIを取り巻く現状を聞いていく。
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
GMO不正アクセス、犯人側は「27日に顧客のPC攻撃」予告 GMOが端末回収、ホワイトハッカーが解析中
-
2
GMO熊谷代表「社内ホワイトハッカーが事前に指摘」も対策遅れ、国に「能動的サイバー防御」要請 「責任転嫁では」SNSで批判も
-
3
「楽天トラベル」に不正アクセス 顧客情報最大約260万件など流出か 予約者約3.6万件のクレカ情報も
-
4
GMO、PCのバックアップと電源オフ呼びかけ VPS利用者に きょう正午の攻撃予告受け
-
5
Google、プライバシーポリシーに「Gmail」「Googleフォト」のデータを広告に使う例外を追加 回避方法は
-
6
「年齢は合ってますが、人間ではありません」 6歳の飼い猫に届いた“進研ゼミの案内” なぜ届いたのかベネッセに聞いた
-
7
「5年でバッテリーが使い物にならなくなる」は本当か テスラ「モデル3」5年目点検で分かったこと
-
8
Apple、「iPad mini」を大幅刷新 8.5インチOLEDとA20 Pro搭載、防水にも対応 11万9800円から
-
9
NECのルータ「Aterm」、PHP脆弱性の影響なし 設定画面URLの「.php」は無関係
-
10
グッスマに不正アクセス、公式EC閉鎖 会員の住所や注文履歴など漏えいか 再開目処立たず
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR