デジタルネイティブのためのフォントとデザイン
EVでのドライブはフォントとUIの近未来(3/3 ページ)
EV/PHV用急速充電器のフォントとデザイン
EVを1泊2日で走らせてみて感じたことが2点ある。
1つは急速充電器の設置されているポイントの情報が十分に得られないことがあったこと。もう1つは充電ステーションのある設備が規模も使い勝手もまちまちで、少し使いにくかったことだ。
例えば高速道路のSAやPAにある充電ステーションに到着すると、そこには充電が始まって間もないEV・PHV車両が使用中でふさがっていたことが少なからずあった。場所によっては複数台の充電待ちが発生しており、到着から充電完了まで2時間近くを要したこともあった。走行中、メーターパネルやセンターコンソールに表示される充電ステーションの情報は限られており、PCやスマートフォンで充電器のスペックや台数は調べることができても、充電ステーションの混雑状況までは確認することができなかった。これは充電ができなければバッテリー切れ=ガス欠ならぬ電欠となってしまうEVにとっては困ったことで、クルマと充電ステーションの使用状況はリアルタイムに連動して、文字やアイコン、音声で最適なナビゲーションをしてほしいと強く感じた部分だ。フォントやデザインがどうこうという以前の問題である。もっとも、これらの問題は緩和に向けて整備・開発されていることを期待したい。
日本全国にある化石燃料を扱ったスタンドは、セルフでの給油が一般化したときにユーザーの抵抗感はそれほど強くなかったように記憶している。給油するための手順はセルフ体験済みのドライバーなら誰でも知っており、それが面倒に思うユーザーにとってはスタンドのスタッフによる人力サポートにお任せすればよいことだ。一方、急速充電器の使い勝手は製造メーカーによって差が大きく、充電開始から終了まではユーザーの手に作業が委ねられる。ユーザーが外出先で介在しなければならない機器のデザインやフォントこそ、もっと配慮が必要なのではないだろうか。
旅の終わりに
化石燃料を中心としたクルマ社会のインフラにEV・PHV、水素燃料電池車などが加わってきた今世紀は、クルマでの移動を安全で快適にするためのリアルタイム情報表示がとても重要になっている。人の命と安全に関わることなので、フォントやデザインの面でも統一性と分かりやすさを、もっともっと進化させてほしいと強く感じているのだが、この分野はまだ成熟には遠く、フォントの扱いやデザイン面では発展途上かつ初期段階にある。充電設備でのUIの不統一や使いにくさは早急に改善してほしいポイントであり、インフラ全体をより安全・快適にするための交通行政と自動車・道路設備メーカーが連携したコンソーシアム設立が急務ではないかとも感じた。
それでも、日産のプロパイロットによる運転支援システムやEVでの体験は貴重なもので、10年後、20年後のモビリティではフォントとデザインのシステムが洗練されてグッと使いやすくなっていると確信している。
今回で旅シリーズはいったん終了し、次回からはフォントのあり方や使い方を巡る新展開を予定している。
それでは夏の終わりまで、快適なドライブと良い旅を。
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デジタルネイティブのためのフォントとデザイン
スマートフォンやSNSの普及で、誰もが気軽に情報を発信できるようになった今、「どう発信するか」を考える上で、欠かせないのがフォントやデザインです。「最近ここのフォント変わったな」「このロゴどうやってデザインしたんだろう」と、身近な文字が気になっている人も多いのではないでしょうか。 この連載では、街角やビジネスの現場など身のまわりにある文字をきっかけに、奥深いフォントとデザインの世界をご案内します。
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