迷惑bot事件簿

ゲーム世界を崩壊に追い込むチートbot 1日2億件の不正ログインの実態(5/5 ページ)

真のラスボスはどこに?

 チートやbotに荒らされたオンラインゲームは、ゲーム性が著しく損なわれ、ユーザーの離脱が激しくなる。また、いったんそういったうわさが立つと新規ユーザーの獲得も難しくなるので、ゲーム会社にとって不正対策は優先度の高い課題だ。

 一方で、チートやbotが横行する背景には、代行業者やRMT業者に金銭を払ってでもゲーム内で優位に立ちたいというプレイヤー側の心理の隙がある。現に筆者も、代行業者からリセマラされたスマホゲームのアカウントを購入した知人の経験を昔聞いたことがある。知人曰く「ゲームを勧めてくれた人のレベルに追い付くために利用した。他人には勧めないけれど」と、すこしバツが悪そうに教えてくれた。

 ゲーム会社のさまざまな不正対策の努力にもかかわらず、ゲーム業界が魅力的な標的として、不正を行う業者や犯罪者から自動ロックオンされ続ける状況は、残念ながらしばらく収まりそうにない。オンラインゲームの世界そのものを崩壊させる真のラスボスは、どこにでもいそうなプレイヤーの、こうした一見無邪気にも見える心の隅に、その萌芽が潜んでいるのではないだろうか。

著者紹介:中西一博

1992年、日立情報ネットワークにシステムエンジニアとして入社。日立グループを統合するネットワークで各種のインターネットセキュリティサービス、モバイルアクセスサービスなどを開発し、当時黎明期にあった企業のサイバーセキュリティ運用のひな型を築いた。その後2000年にシスコシステムズに入社。セキュリティスペシャリストとしてシステムエンジニア、プロダクトマネジャー、マーケティングを担当し、新技術を元IT部門の視点を生かして分かりやすく解説するソリューション提案でネットワークセキュリティの業界を15年間にわたりリードした。2015年1月からはアカマイ・テクノロジーズ合同会社でプロダクト・ マーケティング・マネジャーとして、同社のクラウドセキュリティソリューションを担当。TVニュースや記事、セミナーなどで最新のサイバー攻撃動向を解説している。

印刷する
SNSでシェア
SpecialPR

迷惑bot事件簿

さまざまなタスクを自動化でき、しかも人間より早く処理できるbot。企業にとって良性のbotが活躍する一方、チケットを買い占めるbot、アカウントを不正に乗っ取るbot、アンケートフォームを“荒らす”botなど悪性のbotの被害も相次いでいる。社会や企業、利用者にさまざまな影響を及ぼすbotによる、決して笑い事では済まない迷惑行為の実態を、業界別の事例と対策で解説する。

この連載の記事をもっと見る

この記事の著者

関連記事

こんなメディアも見られています

ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。

メールマガジンを配信中
メールマガジンを配信中

国内外の業界動向、AIやクラウドなどの最新技術、キャリア情報など今知りたい情報をまとめてお届けします。

いますぐご登録

本日の新着記事

アクセスランキング

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10

ITmedia NEWS SNS

X @itmedia_newsをフォロー

インフォメーション

ITmediaNEWSをフォロー

あなたにおすすめの記事PR