東大、量子コンピュータ研究・教育を促進 IBMと提携

 東京大学は9月9日、日本アイ・ビー・エム(IBM)と提携し、IBMの量子コンピューティングシステムと利用企業や団体を結ぶ「IBM Q Network」に参画したと発表した。これにより、IBMが開発する量子ゲート方式の量子コンピュータ「IBM Q」の最新システムに東京大学から直接アクセスできるようになる。量子コンピュータ研究や教育に役立てる。

「IBM Q System One」

 IBMが開発する量子コンピュータの最新モデルである「IBM Q System One」は、20個の量子ビットに対しゲート操作することで量子アルゴリズムを計算できるマシン。量子ビットのエラーを訂正する技術や量子ビット数に課題があることから、「NISQ」(ノイズあり中規模量子デバイス)に分類される。

 既に知られている量子アルゴリズムで有用な計算をするには、「エラー訂正技術が進歩した上で1万~10万量子ビット必要」ともいわれており、そのようなマシンが実現するのは早くても2030年ごろだという。そのため、実用的な量子ゲート方式の量子コンピュータが実現するまではNISQの活用方法が模索されている。

IBMが提唱する量子コンピュータの性能指標「量子体積」 エラー訂正技術や量子ビット数などを総合的に伸ばしていくことが必要だという

 東大は、IBM Qを通してNISQで利用できる量子アルゴリズムの開発やアプリケーションの研究、量子力学のシミュレーション、量子機械学習(量子コンピュータを利用した効率的な機械学習)などを研究するという。

 また、量子コンピュータのプログラミング能力を持つ人材の教育にもIBM Qを利用していくとしている。

印刷する
SNSでシェア
SpecialPR

この記事の著者

井上輝一
井上輝一

2016年3月からITmediaにジョイン。ITmedia Mobile、PC USER、LifeStyle、ヘルスケアで編集・執筆を兼務。2017年4月からITmedia NEWSでの兼務も開始。2019年4月にNEWS専属となる。スマートフォンやPCといったガジェット系の他、理系(神経科学)のバックグラウンドを生かして科学系のネタや、量子コンピュータ、ブロックチェーン、AIなど多岐に渡って取材している。

関連記事

こんなメディアも見られています

ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。

メールマガジンを配信中
メールマガジンを配信中

国内外の業界動向、AIやクラウドなどの最新技術、キャリア情報など今知りたい情報をまとめてお届けします。

いますぐご登録

本日の新着記事

アクセスランキング

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10

ITmedia NEWS SNS

X @itmedia_newsをフォロー

インフォメーション

ITmediaNEWSをフォロー

あなたにおすすめの記事PR