架空世界で「認証」を知る
ドラゴンクエストの「ふっかつのじゅもん」で味わう認証の奥深さ(2/4 ページ)
唐突だが、連載第1回について思い返してみよう。そこで扱ったのは「ファイナルファンタジーII」に反乱軍の合言葉として登場する「のばら」だ。一般の民衆と反乱軍を見分けるこの「合言葉」は果たしてどのような認証だっただろうか?
……そう、「知識認証」だ。
ドラゴンクエストの中にも重要な役割を果たしている「知識認証」がある。それは「ふっかつのじゅもん」だ。ドラゴンクエストでは王様に冒険の経過を報告すると、「ふっかつのじゅもん」という文字列を受け取ることができる。これを次回の冒険開始時に入力することで、同じ名前、同じパラメータで冒険を再開できるという仕組みだ。
しかし実際のところ「のばら」のような短い文字列とは違い、20文字もあるランダムな文字列である「ふっかつのじゅもん」をそのまま記憶するのは、普通の人間の脳では難しい。なので、紙にメモすることが当時の通常の運用であった。
この講義を聞いてきた諸君なら分かると思うが、ここで脳に記憶する「知識認証」から、メモを保管する「所有物認証」への変換が行われており、開発者側も当然、その運用を想定していただろう。
しかし、当時の解像度の低いアナログテレビでは文字の判読が難しいことも多く、特に「へ」と「べ」と「ぺ」のような判別のしづらい文字をメモし間違え、続きからプレイできなくなることも多かった。
さらにドラゴンクエストでは20文字だった「ふっかつのじゅもん」だが、ドラゴンクエストII 悪霊の神々では最大52文字にまで拡張されることになる。さすがにこんなに長くなると「じゅもん」の写し間違いも頻発し、「ふっかつのじゅもんが ちがいます」というエラーメッセージを見ることも多くなった。
その後、ドラゴンクエストIII そして伝説へ…では、カートリッジ内の電池で保存用の電気が供給され、メモリ内で保存する「バッテリーバックアップ」による「ぼうけんのしょ」方式になり、「ふっかつのじゅもん」は利用されなくなった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
架空世界で「認証」を知る
小説やマンガや映画やアニメやゲームといった「架空の世界に現れる、認証的なモノ」を伝える連載「架空世界 認証セキュリティセミナー」を転載。ITを活用する上で無視できない認証とセキュリティの話題を、楽しく分かりやすく伝える認証セキュリティの情報サイト「せぐなべ」内のコンテンツです。
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
「食事量は1日1200kcal以下、でも肥満」な人を14日間追跡調査 痩せない理由は……米コロンビア大などの研究
-
2
なぜ酒蔵の許諾なしに? 「VTuberコラボ日本酒」騒動、主催者が経緯説明 仲介者による調整で「準備進んでいると認識」
-
3
かっぱ寿司「配布前のコラボグッズ、フリマで買わないで」 プリキュアコラボ発表日に注意喚起
-
4
本物そっくり“AI生成レシート“が経費精算の脅威に マネフォ「自力で見破るのは難しい」 企業はどう備える?
-
5
「ペンギンを返して」→「3匹全部採用して」 批判殺到のSuica新キャラ、ファンアートが空気を変えた? SNSの声
-
6
「菜の花がおかしい」――イラストレーター制作うたうマラソン大会ポスターに指摘相次ぐ 事務局がAI使用明かす【訂正あり】
-
7
「ランジェリーパープルじゃない」「買おうと思ってたのに」 iPhone 18 Pro/Pro Maxの色に落胆の声
-
8
幻の「ちいかわ」コラボ第3弾皿、捨てちゃうの? くら寿司に聞いてみた
-
9
「iPhone Duo」純正ケース話題、「面白いけど高い」……1万4800円と2万4800円
-
10
松本デジタル相、24.6万件漏えい可能性について説明 「既知の脆弱性を対応前に悪用」
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR