Googleさん
トランプ大統領発表「Googleの新型コロナ感染症判別サイト」、本当はどこまでできるのか?
3月13日(金曜日)にトランプ大統領が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)で国家非常事態宣言の会見を開き、「Googleが新型コロナのスクリーニングWebサイトを月曜にも全米で公開する」と語ったのには驚きました。説明では、早ければ16日から全米国民が使えるようになる、と。
新型コロナに感染したかも、と心配になった人はこのサイトにログインして必要事項を入力すると、感染した可能性があるかないかの判定と、本格的な検査を受けられる最寄りの検査会場の紹介が表示される(ということになっている)。サイトで知った検査会場に車で行くと、ドライブスルー形式で(つまり車に乗ったまま)検査を受け、その結果を24時間後にはWebサイトで確認できる、という非常に素晴らしいシステム(ということになっている)。
でも、その数時間後にGoogleが公式Twitterアカウントで、間接的にこれを訂正しました。
ツイートの内容はこうです。「Verily(Google系列の、Alphabet傘下の医療部門)の声明文:われわれは、Covid-19検査を受けるべきかどうか個人が判断するためのツールを開発しています。まだ開発の初期段階にあり、ベイエリアでのテストをロールアウトする計画で、将来的には提供地域を拡大していきたいと思っています。政府関係および業界の協力者の支援に感謝し、この取り組みに参加してくれたGoogleのエンジニアに感謝します」(後半は2本目のツイートです)
さすがに大統領の発表にダイレクトに「あれはまちがい」とは言えないので、奥歯にものが挟まりまくった説明です。
米Wiredによると、Googleの中の人が「うちはあんな発表するなんて聞いてなかった」ともらしたそうです。「うちの偉い人たちは、トランプさんが記者会見でGoogleに触れたのでびっくりしてた。トランプさんが言ったことはほとんど間違いだし。新型コロナに感染しているかどうかテストするWebサイトは、GoogleではなくVerilyが開発してはいるけど」とのこと。
つまり、トランプさんが言ったことは大きく2つの点で間違いでした。開発しているのはGoogleではなく系列のVerilyで、月曜日にも全米で利用できるようになるのではなく、まずはベイエリアでパイロットテストを開始できるかも、というまだまだな段階。
まあ世間にとってはGoogleもAlphabetも同じようなものでしょうから、1つ目のまちがいは仕方ないかも。両方ともCEOはスンダー・ピチャイさんだし。案の定、ホワイトハウスの面々は翌日の記者会見でも(Googleの声明文を見たと言いつつ)「GoogleがWebサイトを立ち上げる計画だ」とまた言ってました。
2つ目のまちがいは、わざとかもしれません。ビジネスマンなら普通に使う手(大統領がやるのはどうかと思いますが)、「公式に発表しちゃってそれに合わせるよう担当者にプレッシャーをかける」というやつです。
でも拙速なやっつけツールを公開したりしたら、混乱がひどくなるばかりなので、Verilyには慎重にやってほしいところ。
ホワイトハウスは翌14日に「新型コロナタスクフォース」の取り組みについての会見を開き(こちらで視聴できます)、進捗状況を説明しました。
余談ですが、最近のホワイトハウスは会見の数時間後にはトランスクリプト(テキスト起こし)を公開します。Googleさんのレコーダーアプリを使ってたりして。今回の会見のトランスクリプトはこちら。
この会見の質疑応答では当然、「大統領は昨日、Googleが連邦政府と協力しているとおっしゃいましたが、その後でGoogleは、そのような発表があるとは知らなかったし、大統領が語った通りの準備はできていないと言いました。この不一致について説明してください」という質問が出ました。
マイク・ペンス副大統領の答えは「GoogleがWebサイトの立ち上げを計画しているという声明を発表したことは知っている。3月16日という日程を提示していたと思うし、われわれは予定通りに作業している。(中略)明日の午後5時に、スクリーニングWebサイトとドライブスルー検査会場がいつスタートするかについて、具体的な説明を行う」。GoogleはWebサイトの立ち上げを計画しているなんていう発表はしていないし、3月16日という日程はどこから出てきたんだろう。。。
「具体的な説明」を行う予定の3月15日の午後5時はたぶん米東部夏時間なので、日本時間では16日月曜日の朝6時です。トランプさんは「Googleはやるって言ったのに間に合わせられなかった。がっかりした」とか言うんでしょうか。
明朝6時にPixel 4のレコーダーで録音しつつ記者会見を見てみます。続きはいつもの速報でお届けする予定です。
【追記】この記事を掲載した直後(米太平洋時間で14日土曜日の午後6時ごろ)、Googleが公式Twitterで6連続ツイートを投稿しました。その中で「Googleは、COVID-19の症状、リスク、テスト情報に関する情報を含む全国的なウェブサイトの開発において、米国政府と提携しています」としています。これは読めば分かるように、トリアージサイトではなく、新型コロナに関する情報サイトです。それに続けて、「われわれの系列企業であるBerilyは、個人がリスク評価を行い、ベイエリアのサイトでのテストをスケジュールできるようにするパイロットWebサイトを立ち上げる作業をおこなっている」と説明しています。これも、13日の記者会見後のツイート同様に、14日の会見でのペンスさんの発言への遠回しな訂正のようです。いろいろ大変そうです。
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Googleさん
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