「半世紀分の知見を集約」 富士通、IT基盤の構築サービスを本格化 ハイブリッド/マルチクラウドに対応 売上1兆円目指す
富士通は6月11日、顧客企業のITインフラやアプリケーション基盤の構築から運用までをトータルで支援するサービス「FUJITSU Hybrid IT Service」を発表した。クラウド、データセンター、ネットワーク、セキュリティといった同社の製品群などから、顧客の要件に適したものを選定・構築する他、ITインフラの運用を代行するマネージドサービスを提供する。今夏から順次スタートし、2022年度に同サービスで売上高1兆円を目指す。
デジタル変革(DX)の重要性が周知され、パブリッククラウド/プライベートクラウド/オンプレミスなど、仕様が異なるインフラを組み合わせるニーズが高まっていることを踏まえた施策。富士通がインフラの選定、構築から運用管理までを一手に引き受けることで、ユーザー企業の負担を解消し、ベンダーごとの責任範囲が曖昧になるリスクを低減する。
富士通の島津めぐみ執行役員常務(デジタルインフラサービスビジネスグループ長)は「富士通は1970年以降、半世紀にわたってインフラサービスを提供してきた。FUJITSU Hybrid IT Serviceには、これまで培ってきた知見を集約した。このサービスによって、顧客とともに新たな価値を生み出していきたい」と話した。
「FUJITSU Cloud Service」は「FJcloud」に
FUJITSU Hybrid IT Serviceの開始に当たり、富士通はマネージドサービスの対象とする自社製品群を刷新、拡充する。具体的には、これまで「FUJITSU Cloud Service for OSS/VMware」として提供していたIaaSを「FUJITSU Hybrid IT Service FJcloud O/V」にリブランディングし、6月11日に再リリースする。
FJcloud Oは、政府など公共機関に固有な要件に対応できるのが特徴。FJcloud Vは、企業などのVMware環境で稼働する大規模基幹系システムからの移行に適しており「無停止での移行も可能」(島津常務)という。
両IaaSの刷新に当たっては、パブリッククラウドとプライベートクラウドのリソースを1つのポータル画面で管理できるようにし、ハイブリッドクラウド環境に適した仕様にする。
また、新たなネットワークサービス「Digital enhanced EXchange(DEX)ネットワーク」を7~9月をめどに提供する。異なるクラウドベンダーやデータセンターの間を閉域ネットワークでセキュアに接続するもので、「Amazon Web Services」「Microsoft Azure」といった大手ベンダーのパブリッククラウドとの接続にも対応する。
さらに、米Red Hatのコンテナ基盤「Red Hat OpenShift」をベースに、富士通製のミドルウェア、OSS(オープンソースソフトウェア)、ISV(サードパーティー製ソフトウェア)などを組み合わせたアプリケーション基盤も7~9月をめどにリリースする。
多様なツールを一挙投入
この他、マルチクラウドやオンプレミスを含む多様なITインフラの構築・運用を自動化する「統合マネジメントポータル」(6月中にリリース予定)、個別のシステムに応じたセキュリティ管理をクラウド上で行える「統合Security Operation Center」(10月以降にリリース予定)などの新サービスを相次いで打ち出す計画だ。
チャットbotなどを駆使し、複数のシステムにまたがる問い合わせに対応する「統合サービスデスク」も10月以降にリリースし、顧客サポートも充実させる。
これらのサービスの提供形態は、サービスの価格と内容を事前に決め、買い切り型で提供する「プレフィックス型」(7~9月に開始予定)、一定期間の利用権を定額で提供する「サブスクリプション型」(10月以降に開始予定)の2種とする。
各サービスの提供によって、将来はユーザー企業の運用負荷と総保有コスト(TCO)を2~3割削減し、システム構築の納期を3~4割短縮するとしている。
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