新連載「動画編集実務で計るM1 Macの実力」
「Apple Silicon Macで4K編集」は実用に足るか?(2/4 ページ)
一方M1 MacBook Airでは、同じプロジェクトをプロキシではなく4Kオリジナルソースのままで9レイヤー再生できる。これまでそういうことができるのは、Mac Proか一部のハイエンドiMacぐらいしかなかったのだが、それがMacBook Airで可能になるのは驚異的だ。合計で5分10分の素材ならプロキシ編集しても時間的には大した違いはないが、素材が長尺であるほど時間的メリットが大きくなる。
旧MacBook Proでのプロキシ編集と、新MacBook Airのオリジナル編集は、レスポンス的にはそれほど違わない。ただ旧MacBook Proでの作業は、リアルタイム再生が間に合わなくなると解像度を落としたりコマを飛ばしたりして、無理矢理リアルタイムに間に合わせる処理をしてくるわけだが、新MacBook Airで同様の合成作業を行っても、解像度が落ちることもない。プレビュー品質を「品質優先」にしてもリアルタイムで走るので、クロマキーの抜け具合など細かいところも同時にチェックできる。あとで気付いて再調整という事が少なくなるのは、手間としても助かる。
一番気になるのは、レンダリング時間の短縮だろう。実際クリエイターの設備投資金額のうち、もっとも比重をしめるのがこのレンダリング時間の短縮にかかるハードウェア費用である。
上記28分のコンテンツをYouTube向けHD解像度でレンダリングするのにかかった時間は、旧MacBook Proでは3時間55分であった。寝ている間にやらせているので身体的な負担はないが、もし修正が発生した場合は、また一晩かかる。納期が迫っている場合には、文字通り死活問題となる。
一方同じコンテンツを新MacBook Airでレンダリングに要した時間は、1時間16分。時間にして約3.2倍の差が生じた。4年前のCore i5に対してこの差を十分速いと見るか、意外とそんなもんかと見るかは難しいところだが、マシントータルで見れば価格的には5万円安い、下のクラスのマシンである。コスト的には十分なイノベーションと言っていいだろう。ただ逆に現時点でこれ以上のパフォーマンスを出すハイエンドM1マシンは存在しない点には留意が必要だ。
データで評価すると……
レンダリング中の状態をもう少し細かく観察してみよう。アクティビティモニタでのCPU負荷を見ると、レンダリングタスクは94.6%で、ファイル圧縮タスクが31.3%となっている。
かなり高負荷で回っているのが確認できるが、特筆すべきはGPUもかなり回っていることである。旧MacBook Pro、すなわちIntel版でのレンダリングでは、GPUも回るが、50%程度である。M1ネイティブのソフトウェアでは、レンダリング処理の仕方にも工夫があるようだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
動画編集実務で計るM1 Macの実力
技術ジャーナリストで映像技術者でもある小寺信良さんが、業務で使う動画編集でM1搭載Macがどの程度使えるのか、検証する。
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
なぜ酒蔵の許諾なしに? 「VTuberコラボ日本酒」騒動、主催者が経緯説明 仲介者による調整で「準備進んでいると認識」
-
2
「食事量は1日1200kcal以下、でも肥満」な人を14日間追跡調査 痩せない理由は……米コロンビア大などの研究
-
3
本物そっくり“AI生成レシート“が経費精算の脅威に マネフォ「自力で見破るのは難しい」 企業はどう備える?
-
4
かっぱ寿司「配布前のコラボグッズ、フリマで買わないで」 プリキュアコラボ発表日に注意喚起
-
5
「菜の花がおかしい」――イラストレーター制作うたうマラソン大会ポスターに指摘相次ぐ 事務局がAI使用明かす【訂正あり】
-
6
「ペンギンを返して」→「3匹全部採用して」 批判殺到のSuica新キャラ、ファンアートが空気を変えた? SNSの声
-
7
藤井風のリサイタル、公式サイトがインターネット老人会すぎると話題 公民館のチラシみたいだけど東京ドーム開催
-
8
「iPhone Duo」純正ケース話題、「面白いけど高い」……1万4800円と2万4800円
-
9
松本デジタル相、24.6万件漏えい可能性について説明 「既知の脆弱性を対応前に悪用」
-
10
デジタル庁に不正アクセス、個人情報24.6万件漏えいか 各府省庁の職員情報など
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR