“PC”あるいは“Personal Computer”と呼ばれるもの、その変遷を辿る
USBが誕生したのは「奥さんのプリンタをつなげる手間にキレたから」 USBの設計当時を振り返る(1/6 ページ)
IBM PC、PC/AT互換機からDOS/Vマシン、さらにはArmベースのWindows PC、M1 Mac、そしてラズパイまでがPCと呼ばれている昨今。その源流からたどっていく大原雄介さんによる解説連載の第8回。前回はPCのアーキテクチャを巡るIntelとMicrosoftの動きを描いたが、今回はそこでIntelの取り組みの成果の一つとして挙げたUSBのお話である。
USBはいろいろ失敗もある(というか、現在進行形で失敗し続けている気もしなくはない)が、それでも大成功したインタフェースである。そして単にPCだけではなくマイコン(※1)などでも普通にサポートされるようになってきており、加えてPD(Power Delivery)規格の普及もあって、既にPCという枠を超え、インフラに近い所まで発展しつつあるが、一時期は「PC=USBを装備しているもの」という時代が確かにあった。
※1: ここで言うマイコンは、連載第1回で出てきた方のマイコンではなく、MCU(Micro Controller Unit)として分類される、現在も広範に使われる8~32bitのプロセッサの方。Raspberry PiとかRISC-V PCはここには入らない。ArduinoとかMbedボード、M5Stackなどに搭載されているやつのことだ
そのUSB、どうも調べた限りではかなり早い段階からUSB(というか、Universal Serial Bus)という名前でIAL(前回登場したIntel Architecture Labs)で開発が始まったらしい(誰がこの名前を思いついたのかはついに調べきれなかった)。そのUSBが生まれるきっかけになったのは、アジャイ・バット氏(写真1)である。
当時バット氏はIntelのchipset architecture teamのsenior staff architectというポジションにいたのだが、自宅で奥さんのPCにプリンタをつなぐ作業中に、そのあまりの手間の掛かり方に軽くキレたようだ。
プリンタだけでなく、モデムやジョイスティック、スキャナーなど全ての周辺機器の接続には、当時それなりのスキルと忍耐力が必要とされていた……と書いても想像できない人の方が今では大多数だろう。ただバット氏、そこでキレて終わりにするのではなく、これを解決できる方法があると確信し、それに向けて動き始める。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
“PC”あるいは“Personal Computer”と呼ばれるもの、その変遷を辿る
RISCの歴史、Apple Siliconの歩みを語ってきた大原雄介さんのコンピュータ歴史連載、テーマはズバリ「PC」だ。
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
メルカリ、梨の転売疑惑に「盗品の出品は確認されず」 誹謗中傷には利用制限も
-
2
Anthropic、「Claude Opus 5」公開 Fable 5に迫る性能を半額で――サイバー安全策は緩和、拒否時は自動フォールバックも
-
3
「iPhone高騰」はこれからも続く? 中国CXMTに近づくApple、メモリ競合へのけん制が不発に終わりそうなワケ【後編】
-
4
「ニューロマンサー」実写ドラマ、Apple TV+で2027年1月配信開始へ
-
5
検索結果に「詐欺ではありません」と表示させる詐欺手口、警視庁が注意喚起 AI要約も餌食に
-
6
「こんなのに追われたら……」急斜面もやすやす爆走、中国製の車輪付き四足ロボのデモ動画が話題 最高時速20km超
-
7
海外の新作バカゲー「電車アタック」にマンガ家が感心した理由 ブッ飛んだ内容と完成度の高さ、そして“日本”
-
8
「めっちゃカメレオン」公式Discord乗っ取り 担当者PCがマルウェア感染、管理者が全員BANに 現在は復旧
-
9
暑さ対策が熱い! 「猛暑対策展」で感じた、転んでもただでは起き上がらない日本人のエネルギー
-
10
スーパーに並んだ「ごちゃごちゃ生成AIポップ」が物議 “看板王”こと、きぬた歯科院長「これはアリ」
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR