「空気を読む」を逆手に取って社内のITリテラシー向上 Cygamesが実践した4つの工夫(1/2 ページ)
個人情報などの重要なデータを守るために進化を続ける情報セキュリティ。一方、いくら技術が進歩しても、それを扱う人間の意識が低ければ漏えいのリスクは抑えられない。インシデントを防ぐため、研修などで従業員のリテラシー向上に努める企業も多い中、社内の“空気感”を変えることで、これに成功している企業がある。「ウマ娘 プリティーダービー」を手掛けるCygamesだ。
「ある取り組みの結果『ソフトウェアをアップデートしてほしい』など(情報システム部からの)お願いの実施率や実行してもらえるスピードが上がった。従業員からのセキュリティに関する相談も増えた」
Cygamesの津留大介さん(情報システム本部副本部長)は、空気感を変える取り組みの成果についてこう話す。同社が進めた取り組みとはどんなものなのか。ガートナー ジャパンのオンラインイベント「ガートナー IT IOCS コンファレンス」(12月1~2日)で津留さんが解説した。
カギは「情報の継続発信」、見てもらうための4つの工夫
Cygamesはリテラシーを高める空気作りのために、一定の頻度でセキュリティに関する情報を社内へ発信し続けている。社内のチャットツールやブログなど、さまざまな場所で啓蒙を行っている。ただし、考えなしに社員に情報を発信しているわけではなく、大きく分けて4つの工夫を心掛けているという。
一定の頻度で「ザイオンス効果」
1つ目は、とにかく一定の頻度で発信を続けることだ。同じ人や情報に触れ続けることで、その対象に好印象を持ちやすくする「ザイオンス効果」を狙ったもので、伝える内容にこだわりすぎず、とにかく発信を継続することが重要という。ただし回数が多すぎると逆に見てもらえなくなるため、Cygamesでは週1回程度にとどめている。
伝え方を変えてマンネリ化を防ぐ
2つ目は、伝える媒体を変え続けることで“マンネリ化”を防ぐことだ。定期的に情報を伝える都合上、内容や発信する方法が同じだとマンネリ化し、効果が薄くなる。チャットツールやブログだけでなく、勉強会や社内報などさまざまな媒体で発信することで、内容を見てもらえるようにしている。
禁止ばかりでネガティブな印象にしない
3つ目は、内容を明るく前向きな印象にすることだ。セキュリティの話題では、どうしても禁止事項を伝える内容になりやすい。とはいえ、ただ禁止事項を伝えるだけだとネガティブなイメージが定着してしまい、内容を見てもらえなくなる。そこで「いつもご協力いただきありがとうございます」などのメッセージを添えることで、ポジティブな印象を持たせるよう工夫している。
担当者を明記する
最後の工夫は、担当者の個人名を明記することだ。セキュリティに関する話題の場合、連絡先が「○○委員会」のような組織名だと、担当者が想像しにくく、従業員に恐怖感を持たれる可能性がある。担当者の部署や名前、顔写真を添付することで、有事の際に相談しやすくしているという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
不正アクセスなぜ急増 原因はAIか、それとも…… 専門家の見解は
-
2
「焼肉きんぐ」個人情報約1079万件が漏えい 公式アプリのシステムに不正アクセス ほぼ全会員分に相当
-
3
GMO「infoQ」に不正アクセス、最大95万件の会員情報漏えい ポイント287万円分が不正交換される
-
4
大和証券、22万件情報漏えいか 顧客約11万人の口座番号も
-
5
日経社員のGoogle Workspaceに不正ログイン 1646人分の個人情報漏えいか
-
6
大阪公立大、システム障害で1週間近く休講に 出願期間中で入試にも影響
-
7
韓国の銀行6行にサイバー攻撃 計2万5000人超の個人情報流出──AIエージェントを使った可能性も 現地報道
-
8
ホワイトエッセンス、約105万アカウントの個人情報流出 8月発表の不正アクセス調査で判明
-
9
新卒就活「OfferBox」、学生の氏名などを利用企業が開発者ツール経由で閲覧可能に 最大31万人
-
10
KAT-TUNの新曲がボカロ人気曲にそっくり? 作者「ショックすぎる」
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR