走るガジェット「Tesla」に乗ってます
Teslaはソフトウェアアップデートでどう変わるの? 死角確認、性能アップ、クルマのダンス、ドッグモード(5/6 ページ)
日本の法規制では性能のアップデートは無理?
クルマの各機能を集中的に操作するスクリーンのUI/UXをOTAソフトウェアアップデートで変えてしまうといった更新は、これまでの自動車メーカーの常識ではあり得ないことだと思います。ここがTeslaの先鋭的・先進的な部分であり、オーナーを魅了する部分でもあります。Teslaをして「iPhoneにタイヤをつけたようなクルマ」と表現される要因の一端ともいえます。
別件でボルボ・カー・ジャパン代表取締役社長のマーティン・パーソン氏にインタビューした際、「今後は通信によりソフトウェアをアップデートする機能が普通になっていく。クルマがiPhone化する」と明言していました。ボルボのような歴史あるメーカーも自動車をめぐる100年に一度の大変革の流れに順応しようとしています。
Teslaは今回のようなインフォテインメント系のアップデートだけでなく、バッテリーやモーターといった走行に関わる動力性能をソフトウェアアップデートで向上する取り組みも行っています。2021年型のModel S Plaidは今回のアップデートでモーターのトルクコントロールやサスペンションの制御といった部分を更新し、走行性能を向上させています。
ただ、このようなソフトウェアアップデートで動力系の性能を変更すると日本の法規制上は「改造」に該当し「型式認定」を取り直す必要があることを知りました。Model 3に性能向上のアップデートがあってもライトショーのように「ジャパンパッシング」の憂き目を見るのではないかと悲しい気持ちになりかけました。しかし、よく調べると一縷(いちる)の望みもあります。
2020年11月、道路運送車両法の一部が改正され「特定改造等許可制度」が制定されました。この新制度は、将来の自律運転時代を見据えて、車載ソフトウェアのアップデートによる車両の機能向上を容易に行えるようにするためのものです。「型式認定」の取り直しは不要で「申請」で更新が可能とあります。メーカーからすると法規制上のハードルが下がったことは確かでしょう。
マツダが、さっそくこの制度を利用して「MAZDA SPIRIT UPGRADE D1.1」という、エンジンの性能を向上させる有償のサービスを展開しています。ただし、TeslaのようなOTAでのソフトウェアアップデートではなく、ディーラーに持ち込む必要があります。価格は4万6200円(税込)+工賃です。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
走るガジェット「Tesla」に乗ってます
「iPhoneにタイヤをつけたようなクルマ」と表現されるTesla。IT・ビジネス分野のライターである山崎潤一郎が、主にデジタルガジェットとして、そしてときには、ファミリーカーとしての視点で、この未来からやってきたクルマを連載形式でリポートします。
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
金融庁、本人確認の「ICチップ一本化」へ早期移行を要請 免許証画像の漏えい相次ぎ
-
2
SBI証券、Google・Appleパスキー乗っ取り被害「確認されていない」 注意喚起は他社事案
-
3
ブックオフに不正アクセス、最大約643万件の個人情報流出 氏名、住所、ハッシュ化パスワードなど
-
4
履歴書100通に1通「AIだけが読める文字」 20万件調査でわかった“就活ハック”の手口 米研究
-
5
「応用情報技術者試験」申込障害 カード二重決済、「申込完了」でも座席なし……IPAが詳細発表
-
6
IDCFクラウドへのランサム攻撃、495の企業・自治体に影響 一部には「復元難しい」との通達も
-
7
米国防総省にも不正アクセス 個人情報300万人分が平文で漏えいか……発覚までに9カ月
-
8
JR東日本、「えきねっと」「ビューカード」などで漏えいか メルアドなど最大609万件 IDCFへの不正アクセスで【追記あり】
-
9
ChatGPT、無料版を含む全ユーザーに「GPT-6」 回答内に“操作できる画面”を生成する「Intelligent UI」搭載
-
10
止まらない不正アクセス、背景にAIの“超高速攻撃”か 識者「使われていない方が不自然」
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR