小寺信良のIT大作戦
4月1日からの民法改正「18歳成人」で、本人と親が失うもの(1/3 ページ)
2022年4月1日から、成人年齢が18歳になるという記事がよく目に付くようになった。もしかしたら、「あれ、以前もそんな話なかったっけ?」と思われる方もあるかもしれないが、それは2015年の公職選挙法改正で、選挙権が18歳に引き下げられたことかもしれない。
この4月1日で「18歳が成人」といわれているのは、我々の社会生活のルールを広くカバーする「民法」が改正され、民法上も18歳以上を成年として扱うようになるからである。これまでは20歳以上だったので、4月1日時点で18歳と19歳の人達が、成人式でも誕生日でもないのに一斉に成人になる。
民法は巨大な法体系で、現在1050条まである。とても全部を覚えきれるものではないが、われわれが何かを契約したり、結婚したり、遺産相続したりといった取り決めの多くは、民法をベースに運用されている。
実は日本にある数多くの法律には、成人と未成年者を線引きする部分が沢山ある。今は法律によって、20歳で線引きするものと、18歳で線引きするものが混在している状況だ。例えば未成年者飲酒禁止法や未成年者喫煙禁止法は、未成年者を20歳未満と規定しており、そこは変わっていないので、「お酒やたばこは20歳から」というスローガンはそのままである。
一方少年法は、民法と同じく4月1日に改正法が施行される。改正法では18歳と19歳を「特定少年」というふうに分けて、引き続き少年法の適用を受けるものの、一部では20歳以上のものと同様に扱われる部分もあり、17歳以下とは扱いが異なることとなる。
つまり大きな流れとして、日本の法体系は18歳成人の方へゆっくりシフトしている途中ではあるものの、健康被害や犯罪に関わるものは慎重に対応しているということである。
多くの記事では、18歳~19歳の権利義務がどう変わるかに主眼が置かれている。それは当事者には重要な情報なので、ぜひその年齢のお子さんをお持ちの保護者の方は、そうした記事を参考にしてほしい。
一方で18歳未満のお子さんをお持ちの皆さんは、逆に未成年が民法でどう扱われ、どのように保護されているのかを知る方が、メリットが大きいだろう。それにより、早く成人になったことで失われるものもまた見えてくるはずだ。本稿は、多くの記事の裏側から見た視点、成人になることによって失われる法の保護について述べてみたい。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
小寺信良のIT大作戦
ベテランのテクノロジーライターである小寺信良さんがIT分野全般にわたって考察する。
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
GMO、ランサム被害にあった顧客に新しいPC提供へ 犯行グループは1人の顧客情報公開か
-
2
NECのルータ「Aterm」、PHP脆弱性の影響なし 設定画面URLの「.php」は無関係
-
3
GMO、不正アクセス実行犯の手がかりに懸賞金 1億5000万円規模
-
4
「楽天トラベル」に不正アクセス 顧客情報最大約260万件など流出か 予約者約3.6万件のクレカ情報も
-
5
GMO、攻撃者の公開情報に「アクセスは絶対に控えて」 悪質な拡散者には法的措置を準備
-
6
Google、プライバシーポリシーに「Gmail」「Googleフォト」のデータを広告に使う例外を追加 回避方法は
-
7
So-net、会員情報約259万件が漏えい 一部メールサービスではパスワードも流出
-
8
メアドを検索→AIで“その人専用フィッシングメール”を生成する手法、クリック率が約2.7倍に 7000人以上で実験
-
9
「自分の個人情報が漏えいした……どうすれば?」 IPAが対処法公開
-
10
IPO目論見書に「AIは人類の存亡リスク」「コードの9割はClaude製」 Anthropicが示した規格外の見立て
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR