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YouTubeで不正に収益化する6つの悪用方法、米研究者らが分析結果を公開(1/3 ページ)
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このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。
米シカゴ大学と米パデュー大学の研究チームが発表した「Behind the Tube: Exploitative Monetization of Content on YouTube」は、YouTubeの不正収益化行為を研究した論文だ。世界中のオンラインコミュニティーとYouTubeアカウント売買サイトから複数の情報を集め、どのように不正行為をしているかを分析して6つのカテゴリーにまとめた。
不正情報の収集
研究チームはYouTubeで不正に収益化している情報を得るために、世界10カ国の最も人気のある掲示板などのオンラインコミュニティーからデータを収集した。収益化関連の投稿やスレッドを特定するクローラーを導入し、YouTubeのマネタイズについて議論されている8481件の投稿を得た。
次に、YouTubeアカウントの売買に利用されている5つのWebサイトを特定し、これらのマーケットプレースからデータを抽出するための別のクローラーを導入し情報を収集した。その結果、1352件のYouTubeアカウント一覧のデータを収集した。
このデータをもとに視聴者や他のクリエイターにとって有害な可能性があり、YouTubeのポリシーに違反する行為である、YouTubeアカウントの売却の状況を分析する。その結果をもとに、以下のような悪用例を示す。
コンテンツ作成の経験がないAさんは、YouTubeで早く収入を得たいと考えている。まず、YouTubeのマネタイズ要件を満たすのは面倒だと判断し、代わりにマーケットプレースサイトから3700人の購読者と73万回の再生回数のあるYouTubeアカウントを50米ドルで購入する。
YouTubeの人気動画を見ると、長編映画や映画のハイライト動画が人気で、再生回数が多いことにAさんは気が付いた。また視聴者を活用して、自社で運営する外部Webサイトのプロモーションを行い、広告収入を得ることができることに気が付いた。
Aさんは最初の動画として、人気のあるアクション映画の短いクリップを作成し、動画コンテンツの中に外部サイトへのテキストリンクを含めた。また動画の説明文には、そのアドレスにアクセスすると映画本編を見ることができる、と事実とは異なることを記述した。
リンクをクリックした視聴者をリンク先のWebサイトでもクリックさせ広告収入を得る仕組みを構築した。Aさんは映画を制作した映画スタジオに許諾を求めず、すぐにこの動画をアップロードした。
この動画をさらに宣伝するため、あるサービスから8.40米ドルで3万ビューを購入し視聴回数を増やした。Aさんはこのプロセスを同じフォーマットの動画(映画の短いクリップ、外部Webサイトのリンクを含む)数本分続けた結果、YouTubeを利用して収入を得ることに成功した。
以上のように、このシナリオにはいくつかの悪用が含まれている。以下では、これらの悪用が具体的にどのように行われているかを説明する。
6つの不正行為
YouTubeアカウントの不正取引
研究者らは、YouTubeアカウントの不正な売買に特化した5つのWebサイトを発見した。アカウントの売買はYouTubeの規約に違反する。
5つのWebサイトは全て、同様の取引手順で行われている。まず売却したいユーザーは売却するYouTubeアカウントのリスティングを作成し、さまざまな情報(売却価格、加入者数、月間視聴回数、コンテンツジャンルなど)を記載する。
次に、購入したいユーザーが出品者に購入の申し出を返信したり、出品者に直接メッセージを送ったりして、そのアカウントに関する詳細な情報を得る。お金を払ってくれる買い手が見つかると、元の投稿者はリスティングを削除し、買い手にアカウントの認証情報を提供する。
5つのWebサイトで販売されているYouTubeアカウントのリスティングからチャンネル登録者の分布を調べた。最小で登録者数24人、最大で922万人、平均で15万5785人であると分かった。
またこれらのリスティングには説明が頻繁に付けられている。例えば、「著作権やコミュニティーの侵害なし」「YouTubeの著作権やコンテンツのガイドラインに違反しておらず、すぐに利益を生み出せる」「登録者は全てオーガニックで、ボッタクリではありませんし詐欺でもありません」など、検証する方法はない。
販売価格を調査すると、最低出品価格10米ドル、最高出品価格51万2925米ドル、平均出品価格5405米ドルであった。最低価格のアカウントを調べると、ジャンル「映画・音楽」の動画をアップロードしており、総再生回数は22万6462回、登録者数は3840人と、YouTubeの収益化のしきい値を上回っていると分かった。
最大価格のアカウントを調べると、ジャンル「映画・音楽」の動画をアップロードしており、総再生回数は1億214万3576回、登録者数は12万4000人以上を維持していた。毎月少なくとも50万人の視聴者がおり、年間10万8157.35米ドルの収益を上げていることが確認できた。
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