クラウドストレージSaaS比較
「Dropbox」と「Box」、老舗クラウドストレージを企業があえて使い続ける納得の理由(3/4 ページ)
Box――クラウド完結へのこだわり
米国に本社を置くBox社は、南カリフォルニア大学の学生寮でアーロン・レビィ(現CEO)が05年に立ち上げた会社である。創業時期は前述のDropboxよりも早いが、長らく法人向けサービスに特化してきているため、日本での知名度はDropboxに劣っている。
一方で、セキュリティやユーザー管理機能に強みを持ち、特に大企業の社内ストレージをクラウド化する際に採用されており、日経225採用企業の約6割が利用している。
Dropboxとの一番の違いは、ファイル保存のクラウド完結へのこだわりである。企業向けに特化したサービスを提供してきたことから、ファイルのダウンロードを含め「いかにローカル保存をさせないか」という観点からプロダクトの各機能が磨き込まれている。
ユーザーフレンドリーなUIはもちろん、あらゆる形式のファイルをプレビュー表示し、ファイル共有のためのリンク発行時に有効期限やパスワードを設定することができたり、とにかく「ダウンロードしたファイルを添付する」ことをユーザーが行う必要がない。
Box Driveというアプリを利用することで、各端末のローカルフォルダと同じ感覚でBox内に保存されたファイルにアクセスできる機能も提供している。ただし、これもDropboxとは異なり実際には各端末にはファイルは保存されていないにも関わらず、他のローカルフォルダと同じ感覚でファイルを取り扱える。技術的な観点からも、各端末にファイルをダウンロードさせた上で同期させた方がはるかに簡単だが、そこにBox社の強いこだわりが感じられる。
企業側の管理者に向けた機能も充実しており、ユーザーごとにアップロード、ダウンロード、プレビュー、リンクの取得、編集、削除などの各操作の可否を非常に細かく設定できる。例えば、プレビューは表示できるがダウンロードができない、アップロードはできるがダウンロードはできない、などのきめ細かい設定が可能だ。
共有リンクの発行可否も権限の中でコントロールできるので、不適切なユーザーにむやみに外部にファイルが共有されることもない。クラウド上でファイルを簡単に取り扱えるようにする一方で、セキュリティ面の機能や管理機能などが、他のクラウドストレージとは比較にならないほど充実している。
ビジネス系のプランでは保存容量は無制限であり、大企業で社内のストレージを安心してBoxに移行することが可能だ。ただし、動画やデザインなどの容量の大きいファイルはクラウド上でスムーズに処理することが難しいため、ExcelやWord、PowerPointなどの一般的なオフィスソフト利用がメインの会社の方が良いだろう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
SaaS対決
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
「Xが情報収集に役立たない……」熊本地震で不満の声続出 「Twitterを返して」
-
2
メルカリ、梨の転売疑惑に「盗品の出品は確認されず」 誹謗中傷には利用制限も
-
3
農水省の“クソダサ”ポスター話題 「AIよりよっぽど良い」の声も 担当者に狙いを聞いた
-
4
はてな、11億円流出の調査報告書を公開 偽警察、口外禁止、残業・休出200時間超、孤立……ほころびが連鎖
-
5
「こんなのに追われたら……」急斜面もやすやす爆走、中国製の車輪付き四足ロボのデモ動画が話題 最高時速20km超
-
6
検索結果に「詐欺ではありません」と表示させる詐欺手口、警視庁が注意喚起 AI要約も餌食に
-
7
TSMC熊本工場、段階的に通常操業へ 熊本の地震で一時中断、従業員の無事確認 台湾報道
-
8
熊本「通れた道」マップ、トヨタが公開 ホンダも「通行実績情報マップ」
-
9
Z世代に聞く次の流行、「AIイラスト」が1位に 「Claude Code」も上位
-
10
東野圭吾さん死去、Xなどで追悼相次ぐ 「ガリレオ」など数々の人気作、エンジニアから転身
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR