Akamaiが“3大クラウド”に殴り込み パブリッククラウドで「もう一つの選択肢に」
2月14日に「Akamai Connected Cloud」を発表し、クラウドコンピューティング事業への参入を発表した米Akamai Technologies。同社が2022年に買収したIaaSベンダーの米Linodeが持つリソースを活用したもので、世界各地に機能が異なるリージョンを分散配置することから、低遅延なサービスを提供できる点が特徴という。
とはいえ、パブリッククラウドはいわゆる「ハイパースケーラー」、例えばAWSやAzure、Google Cloudといった“3大クラウド”などがシェアを占めている状態だ。Akamaiのトム・レイトンCEOも、3月2日の事業戦略発表会で「ハイパースケーラーの方がキャパシティー・スケールを持っている」と話す。にもかかわらず、今からパブリッククラウドに挑戦するのはなぜか。
特徴は「分散」、IoTやコネクティッドカーなどで利用見込む
Akamai Connected Cloudは、(1)同社がCDNサービスの提供に使っている世界4200カ所の「エッジサイト」、(2)同社が提供する全てのコンピューティングサービスが使える「コアサイト」、(3)仮想マシンやストレージなど、一部機能のみを使える「分散型サイト」──をユーザーが組み合わせて利用できるクラウドサービスだ。コンピューティングと合わせてAkamaiのCDNやセキュリティサービスが使える点が特徴という。エッジサイトでJavaScriptのコードを動かすことも可能としている。
コアサイトの数は3月2日時点で全世界11カ所。今後、2023年内に24カ所まで増やす予定だ。国内では東京に開設済みで、今後大阪にも展開する予定。分散型サイトはハイパースケーラーが対応できていない地域を中心に、2023年内に50カ所まで拡大する計画だ。
想定される用途としては、IoTアプリケーション、コネクティッドカー、センシング、メタバース、ゲームなどを挙げた。デバイスの数が多く、低遅延なことが求められるサービスでの利用を見込むという。
「もう一つのオルタナティブな選択肢に」 CEOが見込む勝算は
レイトンCEOによれば、Akamai Connected Cloudの優位性はレイテンシの低さにあるという。3種の拠点を分散配置することで、エンドユーザーにより近い距離でのコンピューティングが可能になることから「パフォーマンスを最重要視するアプリケーションであればAkamai Connected Cloudの利用が理にかなっている」と意気込む。
このタイミングで参入を決めた背景としては「世界がエッジ・クラウドに対する準備する前、AWSができる20年以上も前から、Akamaiはエッジのビジネス市場にいた。そして世界では今、エッジ・クラウドに対する準備が整っている。特にメディアなどユーザーから近い距離で処理がしたいというニーズが増えており、われわれとしては今こそが適切と判断した。もう一つのオルタナティブな選択肢になれると考えている」(レイトンCEO)
今後、Akamaiがクラウドコンピューティング事業に注力していく方針も示した。「われわれがビジネスを始めた25年前は、CDNが最大のプロダクトだった。しかし今年、セキュリティがそれに取って代わりつつある。クラウドは市場が大きく、成長のスピードも早い。今後5~10年を見据えると、コンピュートが最大の柱になっているのではないか」(レイトンCEO)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
メルカリ、梨の転売疑惑に「盗品の出品は確認されず」 誹謗中傷には利用制限も
-
2
「Xが情報収集に役立たない……」熊本地震で不満の声続出 「Twitterを返して」
-
3
「こんなのに追われたら……」急斜面もやすやす爆走、中国製の車輪付き四足ロボのデモ動画が話題 最高時速20km超
-
4
検索結果に「詐欺ではありません」と表示させる詐欺手口、警視庁が注意喚起 AI要約も餌食に
-
5
Z世代に聞く次の流行、「AIイラスト」が1位に 「Claude Code」も上位
-
6
東野圭吾さん死去、Xなどで追悼相次ぐ 「ガリレオ」など数々の人気作、エンジニアから転身
-
7
はてな、11億円流出の調査報告書を公開 偽警察、口外禁止、残業・休出200時間超、孤立……ほころびが連鎖
-
8
NVIDIAやMicrosoftなど30社超、オープンAIの防御ツール共同開発の「Open Secure AI Alliance」設立
-
9
「あ、その情報メモしたい!」を叶えるワイヤレスイヤフォン、Nothing「Ear (3a)」
-
10
農水省の“クソダサ”ポスター話題 「AIよりよっぽど良い」の声も 担当者に狙いを聞いた
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR