小寺信良のIT大作戦
「どげんかせんといかん!」 WBC配信で“民放の限界”をひしひしと感じた地方民の悩み(2/3 ページ)
どげんかせんといかん……のだが
WBCの全試合が宮崎でテレビ放送されなかったというニュースを見て、元宮崎県知事でタレントの東国原英夫氏が「本当にどげんかせんといかん!」とTwitterでつぶやいている。
Amazonプライムかケーブルテレビに加入していれば見られるが、無料ではない。ワールドカップの際はABEMAが無料配信を行なったので事なきを得たが、国民の多くが関心のある国際スポーツイベントの情報を得るのに、居住する地域によって無料と有料に分かれるということは、情報の公平化の点でどうなのか、という話になる。だがそれを実際にどげんかする方法があるのかというのは、なかなか難しい。
シンプルに考えれば、無料放送では見られない、つまり日本テレビとテレビ朝日系列の地上波放送ネット局が宮崎にない事が問題だといえる。ということは、宮崎に新しく日本テレビかテレビ朝日系列のネット局を開局するのが最初に考えられる解決策になる。
しかしただでさえテレビ離れ著しい今これからの時代、新規に民放テレビ局を作ってペイするのか。経営母体はどこになるのか、地元広告収入は得られるのか、課題は山積だ。
他県の放送をそのままケーブルテレビで見せるという方法もある。過去、徳島県では、地デジ化の影響で大阪の電波を越境受信できなくなった際に、「全県CATV網構想」(デジタルとくしま推進プランについて)を打ち出し、県の隅々までケーブルテレビ網を敷設した。
ただこれも、10年以上前の話である。当時はテレビ放送とブロードバンド回線の両方を同時に充実させる方法として妥当性があったが、5Gの普及も視野に入った現在、大工事してワイヤーを張りまくるというのもどうなの、という気がする。
ネットでもいいから無料で見られればいいということなら、「TVer」によるリアルタイム配信は1つの解決策ではある。だが今回WBCは、TVerでの配信はなかった。恐らく放映権をネット放送の分まで買ってないのだろう。そこまでして放映権を買っても、TVerではペイしないだろうという判断には一定の妥当性がある。
例えば国の税金や、NHKの受信料でネットの放映権を買うという枠組を作るのはどうか。しかしこれは受益者が全国民ではなく、一部の県民に限定されるという問題がある。全国民のコンセンサスを得るのは難しそうだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
小寺信良のIT大作戦
ベテランのテクノロジーライターである小寺信良さんがIT分野全般にわたって考察する。
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
GMO、ランサム被害にあった顧客に新しいPC提供へ 犯行グループは1人の顧客情報公開か
-
2
NECのルータ「Aterm」、PHP脆弱性の影響なし 設定画面URLの「.php」は無関係
-
3
GMO、不正アクセス実行犯の手がかりに懸賞金 1億5000万円規模
-
4
「楽天トラベル」に不正アクセス 顧客情報最大約260万件など流出か 予約者約3.6万件のクレカ情報も
-
5
GMO、攻撃者の公開情報に「アクセスは絶対に控えて」 悪質な拡散者には法的措置を準備
-
6
GMO不正アクセス、犯人側は「27日に顧客のPC攻撃」予告 GMOが端末回収、ホワイトハッカーが解析中
-
7
So-net、会員情報約259万件が漏えい 一部メールサービスではパスワードも流出
-
8
「自分の個人情報が漏えいした……どうすれば?」 IPAが対処法公開
-
9
Google、プライバシーポリシーに「Gmail」「Googleフォト」のデータを広告に使う例外を追加 回避方法は
-
10
タイムズカー、お見舞金3000円の算定基準は? パーク24に聞いた
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR