清水亮の「世界を変えるAI」
サイバーエージェントが公開した大規模言語モデルの実力を試す(4/4 ページ)
AIが事実と無関係な情報を出力してしまう、いわゆるハルシネーションはまだ多く見られるが、他のファンダメンタルモデルと違って途中で英語になったり、英語とまじって混乱したりしないため、日本語の文章をファインチューニングする際の土台として使えるのではないかと思う。
7B(68億パラメータ)のものを公開したというのも絶妙で、これはGoogle Colabでギリギリファインチューニング可能なサイズだ。
これをきっかけに国内のLLM(大規模言語モデル)コミュニティがさらに盛り上がり、今週中にはいくつものファインチューニングが出てくるだろうことが期待される。
海外では、例えば英国のStability.aiが画像生成モデルを商用利用可能で一般公開したことで世界的なムーブメントになった。大規模言語モデルでは、Databricks社やBigScience、Togerther Computing、スタンフォード大学などが商用利用可能なものを一般公開するなどの動きが相次いでいる。中国でも独自の大規模言語モデルを無償公開する例が多くある。しかし、日本国内ではこうしたオープンソースコミュニティへの貢献を行う会社がほぼ皆無であったことは誠に情けない次第だった。
しかし、こうした「(大規模計算資源を)持てるものの義務」を果たす会社が国内にも現れたことで、我が国における大規模言語モデルの研究が勢いづくことは間違いない。サイバーエージェントの今回の太っ腹な対応には素直に拍手を送りたい。
筆者プロフィール:清水 亮
新潟県長岡市生まれ。1990年代よりプログラマーとしてゲーム業界、モバイル業界などで数社の立ち上げに関わる。2005年、IPA(情報処理推進機構)より「天才プログラマー/スーパークリエイタ」として認定。株式会社ゼルペム所属AIスペシャリスト。現在も現役のプログラマーとして日夜AI開発に情熱を捧げている。
<!--info end-->
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
清水亮の「世界を変えるAI」
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
「Xが情報収集に役立たない……」熊本地震で不満の声続出 「Twitterを返して」
-
2
メルカリ、梨の転売疑惑に「盗品の出品は確認されず」 誹謗中傷には利用制限も
-
3
「こんなのに追われたら……」急斜面もやすやす爆走、中国製の車輪付き四足ロボのデモ動画が話題 最高時速20km超
-
4
検索結果に「詐欺ではありません」と表示させる詐欺手口、警視庁が注意喚起 AI要約も餌食に
-
5
はてな、11億円流出の調査報告書を公開 偽警察、口外禁止、残業・休出200時間超、孤立……ほころびが連鎖
-
6
Z世代に聞く次の流行、「AIイラスト」が1位に 「Claude Code」も上位
-
7
携帯各社、熊本の一部で通信障害 震度7の地震で 他社回線につながる「JAPANローミング」開始【追記】
-
8
東野圭吾さん死去、Xなどで追悼相次ぐ 「ガリレオ」など数々の人気作、エンジニアから転身
-
9
NVIDIAやMicrosoftなど30社超、オープンAIの防御ツール共同開発の「Open Secure AI Alliance」設立
-
10
農水省の“クソダサ”ポスター話題 「AIよりよっぽど良い」の声も 担当者に狙いを聞いた
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR