ヤバいと話題の“日本の住所表記” 何がそんなに大変? ゼンリンに聞いた(1/2 ページ)
日本の住所表記の正規化・名寄せがTwitter上で話題になっている。きっかけとなったのは河野太郎デジタル大臣がテレビ番組で発した「AIを使って表記揺れを判断することがあり得るかもしれない」という言葉。これに対し、ネット上ではさまざまな議論が巻き起こっている。
Twitter上では「住所の揺らぎ程度のことでAIは不要」という意見が見られた。これに対して、ITエンジニアなどからは「住所の表記揺れはすぐ解決できる問題ではない」などと反論の声が上がり、「日本住所のヤバさをもっと知ってほしい」と訴えるユーザーも多数見られた。
そんな中、地図や地図データベースを手掛けるゼンリンもこの話題に反応。そこで住所の表記揺れを直すのがどのくらい難しいのか、またどうすれば解決できるのか。ゼンリンに話を聞いた。
表記ゆれの“ワナ”はいくらでも
そもそも住所の表記揺れとは「誤字ではないが、同じ意味、同じ読み方であるにもかかわらず使っている文字が違う状態を指す」(ゼンリン)という。具体例として、以下に3つの例を挙げた。
1つ目は「丁目・番地表記の省略(ハイフンで表現)や半角・全角表記の違い」だ。例えば、住所表記には「1丁目1番1号」と「1-1-1」のように、丁目・番地表記と数字とハイフンで表す2つの表記がある。「1-1」と書かれている場合、それだけでは「1丁目1番地」の可能性も「1番地1号」の可能性も否定できない。
さらに数字ならアラビア数字・漢数字の揺れ、半角・全角の揺れもあり、ハイフンなら伸ばし棒(ー)、横棒(━)、ダッシュ(―)などと混ざる。例えば、固有名詞の伸ばしい棒はそのまま、ハイフンにすべきところだけ適切に修正する必要がある。
次に考えられるのが「読みは同じだが使っている文字が異なる」という場合だ。例えば「自由が丘」(じゆうがおか)の住所ならば、「自由ヶ丘」「自由ケ丘」などに表記が揺れている場合があるという。
しかも、全て「自由が丘」に直せばいいわけではない。日本には「じゆうがおか」と読む地名が20以上あるが「自由が丘」が正しい場合と「自由ヶ丘」が正しい場合と「自由ケ丘」が正しい場合がある。大阪府には「自由丘」と書いて「じゆうがおか」と読む地名もある。機械的に一括修正するのは骨が折れる。
3つ目に挙がったのが「旧字体、新字体などによる文字の違い」だ。例えば氏名ならば「高橋」(旧字体ははしごだかの高)や「山崎」(旧字体はたつさきの崎)のように表記揺れが生じる。また、文字の違いは他にも法人ならば「『株式会社』と『(株)』」や、「『Office』と『office』『オフィス』」などでも表記が揺れるケースが存在する。どの表記が正しいかは情報源に当たらないと分からない。
これらが起こる要因について、ゼンリンは「『住所の表現方法に複数の方法があること』『IT化により文字コード化されているかどうか』『地名自体に揺れがあり、住所の表記や体系に一貫性がない状態が存在すること』『自治体が把握する住所と実際に利用されている住所が異なること』など原因が多岐にわたることが理由」と説明する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
メルカリ、梨の転売疑惑に「盗品の出品は確認されず」 誹謗中傷には利用制限も
-
2
「Xが情報収集に役立たない……」熊本地震で不満の声続出 「Twitterを返して」
-
3
「こんなのに追われたら……」急斜面もやすやす爆走、中国製の車輪付き四足ロボのデモ動画が話題 最高時速20km超
-
4
検索結果に「詐欺ではありません」と表示させる詐欺手口、警視庁が注意喚起 AI要約も餌食に
-
5
Z世代に聞く次の流行、「AIイラスト」が1位に 「Claude Code」も上位
-
6
東野圭吾さん死去、Xなどで追悼相次ぐ 「ガリレオ」など数々の人気作、エンジニアから転身
-
7
はてな、11億円流出の調査報告書を公開 偽警察、口外禁止、残業・休出200時間超、孤立……ほころびが連鎖
-
8
NVIDIAやMicrosoftなど30社超、オープンAIの防御ツール共同開発の「Open Secure AI Alliance」設立
-
9
「あ、その情報メモしたい!」を叶えるワイヤレスイヤフォン、Nothing「Ear (3a)」
-
10
農水省の“クソダサ”ポスター話題 「AIよりよっぽど良い」の声も 担当者に狙いを聞いた
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR