400万本売れた「パルワールド」早速プレイした 没頭するほど面白いのに、心の底から“申し訳なさ”を感じた理由(4/4 ページ)
それにしても似すぎ 遊んでて申し訳なくなる
それは、キャラクターがポケモンに似すぎな点だ。この画像を見てほしい。これは序盤で仲間にしたパル「ミルフィー」だ。だが、これはもうどう見てもモフモフな「イーブイ」だろう。何なら一緒に遊んでいた友人もみんな「イーブイ」と呼んでいた。
先に述べたARKやゼルダなどとの類似は、まぁ遊ぶ側の心理としては許容範囲だ。元を正せばARKだって数あるサンドボックス系サバイバルゲームの系譜にあるし、ゼルダだってオープンワールドアクションゲームの殿堂とされる「The Elder Scrolls V: Skyrim」などをよく研究した作品だろう。原神も言わずもがなだ(特許回り大丈夫かな、とは思うが)。
そもそも既存作品の良いトコ取りをして、一つの作品に昇華するのは悪いことではない。それが良好なプレイ体験を生むなら言わずもがなだ。世の中には良いトコ取りをしようとしたものの、うまく融合せずよく分からないことになったゲームや、技術力が足りなくて再現すらできていないゲームが山ほどある。そうなれば、いかにガワが話題作に似ていても意味がない。
そもそもゲームはヒット作が出るとフォロワー作品が山ほど出るジャンルだ。Steamに石を投げれば“ダークソウルもどき”“牧場物語もどき”“シムシティもどき”に当たるだろう。日本の大手だって○○もどきを出している。しかし、売れているものはオリジナルに工夫を加えたものばかりで、劣化コピーではマニア以外には見向きもされない。
同様に“ポケモンフォロワー”だって無数にある。スクウェア・エニックスの「ドラゴンクエストモンスターズ」シリーズや「デジモン」だってポケモンの後追いだろう。セガなんて「龍が如く」のミニゲームとして、不審者を集めて戦わせる「スジモン」というとんでもないものを作っている。
しかしこれらが受け入れられているのは、キャラデザインなり他の部分なりで、ポケモンとは違う魅力をそれぞれが作り出せたからだろう。そもそも、ポケモンだってルーツをたどれば「ウルトラセブン」のカプセル怪獣にたどり着くはずだ。一世を風靡(ふうび)した「フォートナイト」「エーペックスレジェンズ」だって、リリース当初は「PUBGのパクり」と批判を集めていた。昨日のことのように覚えている。
だからこそ、やっぱりキャラがあまりにも似ている点はいただけない。「著作権的に大丈夫なの?」の前に、プレイしていて罪悪感がある。心安らかにゲームを遊べない。ミルフィー然り、遊んでいて「これはさすがにな……」と気が引けてしまう。
先ほど、ポケモンにひどい扱いをしてみたい・見てみたい欲求の話をした。フィクションなので、筆者も興味は確かにあるが、だからといって罪悪感や引け目がないわけではない。こちとら幼少期からポケモンに慣れ親しんできた世代。ノスタルジーを想起させるミュージックビデオ「アカシア」でしっかり泣いた人間だ。
全くポケモンらしくなければ、受け入れる余地もある。しかしあまりにもポケモンに似すぎたパルがいると、個人的な思い出や、ブランドへの愛着、でも面白いからプレイしたくなる気持ちがないまぜになって、申し訳なくてたまらない。気持ちよくプレイできない隙があるのは、ゲームとして明確な弱点だ。
割と「面白ければ何でもいいや」派の筆者でこれだから、SNSで不快感を表明する人がいるのも理解はできる。むろん、何かあったときにゲームが消し飛びそうな不安があるのは言うまでもない(他媒体によれば、ポケットペアは法務のレビューを通したとしているが)。
ここまで話したところで、ゲームをしない読者諸氏には「SlackとZoomとNotionの良いトコどりをしたコミュニケーションツールが買い切りで売っていて、Teamsくらいみんなが使っている。ただしロゴがSlackの色を変えただけ」という冒頭の例えが伝わったと思う。要するにツールとして優れているが、不安要素が大きすぎるのだ。
とはいえ、パルワールドがさまざまな意味で“破壊的”なのは、言うまでもない。リリース直後から続く殺人的であろう負荷をさばく技術力は評価に値するし、ゲーム実況配信者に先行してアクセス権を付与していた点も巧みだ。同作もまた、研究される側のゲームになるだろう。まだ早期アクセスなので、これからのコンテンツ拡充も注目を浴びるはずだ。
ただ、ポケモンに対して行儀が良くない作品だとも思う。議論を呼ぶのは明白だし、その辺りはポケットペア側も承知であろう。もろもろの権利者も、必要があると判断していれば、すでに動き始めているはずだ。いちプレイヤーとしては、アップデートや今後の展開の中で、より安心して遊べるようになる情報や調整があるとうれしいのだが。
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