小寺信良の「プロフェッショナル×DX」
3Dデザインを手軽に作成? アドビ「Project Neo」β版を試す 生成AIを使った新3Dツールの使い勝手は(2/2 ページ)
出力と動画への応用
もちろんオブジェクトを作って終わりではなく、これをレンダリングして結果を得ることになる。コンテキストバーの「シーンから画像を作成」を選ぶと、AIに対してプロンプトが入力できる画面になる。このオブジェクトはあくまでも位置や形状を指定するためのサンプルであり、本番はむしろここからである。
簡単な形状から公園の遊具を出力してみたが、こうしたシンプルなオブジェクト数からそこそこ見栄えのする画像が得られるところが、Project Neoの特徴である。
このオブジェクトをどれぐらい参照するかのレベルが決められるのは、興味深い機能だ。次のオブジェクトを使って、廃墟となった古代文明の姿を出力させてみた。順に参照率100%、80%、70%と下げてみたが、「80%と70%の間で一体何があった?」と思わせるほど、70%以下ではAIが自由に作り始める。もう少しさじ加減の加え具合がバリアブルになると、われわれの期待する機能に近くなるだろう。
最終出力までにあまり工数がかからないので、なんとなくの形を作り、それを使って打ち合わせなどのプリプロダクションを行うといった用途は考えられる。ただ、最初からあまりフォトリアリスティックに作りすぎると、じゃあコレ通りで本番も作ってくれと言われた時に困る。あくまでもAIが適当に出した絵なので、再現性がないからである。
また現時点でProject Neoは静止画の出力のみに対応しており、動画は生成できない。とはいえ、Adobe Fireflyの動画生成機能と組み合わせたらどうなるだろうか。
例えばProject Neoの1つのシーンからアングル違いで2枚の静止画を出力させ、それをAdobe Fireflyの画像2点指定でつなげば、移動する動画が作れるのではないか。
だが思ったような結果にはならなかった。それというのも、Project Neoではカメラアングルを変えただけで、全然違う絵を生成してしまうからである。つまり同じシーンのアングル違いが生成できない。今回はなるべく雰囲気が近い画像を選んでみたのだが、やはり単純なアングル移動にはならなかった。この「生成結果の継承」というのが、1つの課題になるだろう。
では1枚の画像から、単純にカメラのズームインやズームバックなら動画になるのではないか。試しにロングショットの静止画1枚を参照させ、そこからズームインする動画、右に移動する動画を生成してみた。
1枚を参照するだけなら問題ない動画生成ができる。Adobe Fireflyの補助ツールとしての使い道もあるだろう。
AI画像生成はコントロールが難しく、むしろプロンプトを細かく書いて指定したほうがコントロールしやすいきらいがあるが、自分で絵が描ける人にそうした作業は耐えられないという課題がある。
ただProject Neoのような簡易的なツールをプリプロダクションツールとして使うというやり方は、何度もコマンドプロンプトを修正して再出力するよりは、絵が描ける人にとって親和性が高い作業のように思える。
今後Project Neoがどのようなツールになるのか、現時点ではまだはっきり見えないところではある。だが簡易3Dモデリングを起点としてAIに情報を指示するという方法論は、これまであまり見られないアプローチであり、今後の発展が期待できるところだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
小寺信良の「プロフェッショナル×DX」
クラウド活用にリモート編集環境と、映像にまつわるプロフェッショナルの分野にDXの波が押し寄せている。プロの現場で何が起こっているのか。最新のITトピックを小寺信良氏が解説する。
この記事の著者
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
「食事量は1日1200kcal以下、でも肥満」な人を14日間追跡調査 痩せない理由は……米コロンビア大などの研究
-
2
なぜ酒蔵の許諾なしに? 「VTuberコラボ日本酒」騒動、主催者が経緯説明 仲介者による調整で「準備進んでいると認識」
-
3
かっぱ寿司「配布前のコラボグッズ、フリマで買わないで」 プリキュアコラボ発表日に注意喚起
-
4
本物そっくり“AI生成レシート“が経費精算の脅威に マネフォ「自力で見破るのは難しい」 企業はどう備える?
-
5
「ペンギンを返して」→「3匹全部採用して」 批判殺到のSuica新キャラ、ファンアートが空気を変えた? SNSの声
-
6
「菜の花がおかしい」――イラストレーター制作うたうマラソン大会ポスターに指摘相次ぐ 事務局がAI使用明かす【訂正あり】
-
7
「iPhone Duo」純正ケース話題、「面白いけど高い」……1万4800円と2万4800円
-
8
「ランジェリーパープルじゃない」「買おうと思ってたのに」 iPhone 18 Pro/Pro Maxの色に落胆の声
-
9
幻の「ちいかわ」コラボ第3弾皿、捨てちゃうの? くら寿司に聞いてみた
-
10
藤井風のリサイタル、公式サイトがインターネット老人会すぎると話題 公民館のチラシみたいだけど東京ドーム開催
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR