小寺信良のIT大作戦
AIグラスへの不安感は、盗撮問題に集中しすぎると問題を見誤るのではないか(4/5 ページ)
視線を重要視する社会
もう一つ、これは日本特有の話かもしれないが、日本ではコミュニケーションする際に、視線を気にする社会である。話を聞く時は相手の目を見ろとか、子供の頃に厳しくしつけられた人もいらっしゃるのではないだろうか。
例えば目が認識できないほどの濃いサングラスは、TPOによって許容されたりされなかったりする。ビーチや屋外イベントでは当たり前だが、それ以外の場所でサングラスをした知らない相手と話をするときには、信用しちゃダメな気がする。
つまり、相手はこちらに顔を覚えられたくない人間なのではないか、という疑いが生じるわけだ。訝(いぶか)しむ、という表現がこれほどまでにしっくりくる状況もまたないだろう。
別の例では、話を聞いている相手がスマホを見ながらフンフンとうなずいていると、なんだよちゃんと話聞けよという気になる。もしかしたら自分の話をスマホでメモしているのかもしれないが、それでもなんとなく不快感が生じる。
「目は口ほどにものを言う」ということわざどおり、言語による意思疎通以上のものを、目の動きから察する文化を持っている。
目線が確認できない全面反射
AIグラスは、度付きレンズ対応が日本普及のキーとなることは間違いない。Rokidはフラットなガラスディスプレイを採用しており、度付きにする場合はこのフラットなガラスの内側から、度付きレンズをはめ込むという構造になっている。
表側はフラットなガラスなので、光の反射が全面に起こる。一般に度付きのレンズは表面がカーブしているので、反射があっても一般には均一にならない。よってAIグラスの反射は、メガネとしてはかなり特殊だ。
この目線が確認できない全面反射が、ドラマなどで見る「インテリの悪人」のイメージにつながる。何か企んでいる時の表現と合致するのである。
対面で話をしているときにこうした現象が起こったら、なんとなくこの人は信用しちゃダメな人、という印象を与えるだろう。
また話をしているのに、目が何かの情報を読んでいると、微妙に目が泳いでいるような視線になるというのも、目線に厳しいタイプの人であれば気になるだろう。
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小寺信良のIT大作戦
ベテランのテクノロジーライターである小寺信良さんがIT分野全般にわたって考察する。
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