OpenAI、次期主力モデル「Astra」の存在を明らかに――未解決の数学問題10件を「解決」と発表
米OpenAIは8月1日(現地時間)、数学と理論計算機科学の未解決問題10件について新たな結果を得たと発表した。この成果は「次期主力モデル」と位置付ける「Astra」の社内版によるものだとしており、OpenAIが公式に「Astra」の名称に言及したのは初めてとみられる。
Astraの公開時期やモデル構成、API料金、ChatGPTでの提供形態などは明らかにしていない。今回の発表では、あくまで次期主力モデルの社内版を用いた研究成果として紹介している。「Astra」はラテン語で「星々」や「天体」を意味する。OpenAIは6月公開の「GPT-5.6」でも、Sol(太陽)、Terra(地球)、Luna(月)という天体に由来する名称を内部モデル名として用いていた。
ブログでは、「(10件の問題解決は)次期主力モデルであるAstraの内部バージョンによって達成された」と説明している。OpenAIによると、10件の解を見つけるのに要したトークン量は、「GPT-5.6」の上位モデル「Sol」のAPI料金に換算すると約2000ドル相当という。生成された数学的な議論は、同じモデルを使って人間が論文の形にまとめ、その後モデル自身が証明支援系「Lean」で形式化した。Leanによる形式証明と、モデルがどのような発想で証明に到達したかの説明はGitHubで公開している。
対象となった問題は、高次元幾何、符号理論、算術回路計算量、群論、作用素環論、量子計算量、格子暗号、極値組合せ論にまたがり、いずれも主要な結果について少なくとも10年、多くの場合はそれよりはるかに長く進展がなかったものとしている。具体例としては、群論の中心的な未解決問題だった非ソフィック群の存在を示す構成、コンヌの剛性予想の反証、エルハートの体積予想の解決などが挙げられている。OpenAIは5月にも、未公開モデルがエルデシュの単位距離予想を反証したと発表しており、今回も高度な数学研究への応用事例を示した形となる。
成果の帰属についてOpenAIは、AIシステムが完全に生成した証明を人間の成果として発表することは、AIと人間双方の貢献を正しく反映しないとの考えを示した。論文化やLeanによる形式化は同社が担い、正しさの責任も同社が負う一方で、数学的な議論そのものはモデルが生成したものだとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
AI学習への利用拒否をrobots.txtで一括指定へ OpenAIやGoogleなどが対応表明
-
2
総務省、GMO攻撃者サイトの「ブロッキング」を通信各社に要請 報道
-
3
「PayPay連携の銀行から、お金全部盗られた」被害報告……原因と対策は? PayPayに聞いた
-
4
楽天カード、本人認証をワンタイムパスワードに統一 27年2月から順次
-
5
「ITノウハウ持つ人材少なく」 PHP脆弱性問題、31市町村でサイト一時停止継続
-
6
「低評価でキャラが悲しげな目」 モスバーガーのアンケートがSNSで話題 運営会社に狙いを聞いた
-
7
松屋のアプリに不正アクセス、約238万件の個人情報が漏えい 停止中の補償も予定
-
8
日本郵政「ゆうID」不正ログイン、他社で流出したパスワード使うリスト攻撃か……2段階認証必須に
-
9
Binanceの約1兆円流出、北朝鮮ハッカー集団「TraderTraitor」の犯行か
-
10
グッスマ、顧客の2800人のカード番号全16桁+セキュリティコードなど流出か 下4桁は40万枚分
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR