AI普及でデザイン業の倒産が前年比2.7倍に 「独自性なき企業は淘汰」 東京商工リサーチ
東京商工リサーチは8月2日、グラフィックデザインやインテリアデザインなどを手掛ける「デザイン業」で、1000万円以上の負債を抱えての倒産が急増していると発表した。2026年上半期の倒産は40件で、25年同期比166.6%増。上半期としては14年ぶりに40件を超えた。生成AIの普及によるデザイン業務の内製化などが影響したという。
倒産した企業のうち、従業員5人未満が36件で、全体の9割を占めた。負債額別では、1000万円以上5000万円未満が30件、5000万円以上1億円未満が8件、1億円以上が2件で、小規模な事業者の倒産が目立つ。
東京商工リサーチは、倒産増加の背景を大きく3つに分類している。1つ目は、生成AIの普及を受け、顧客企業のデザイン業務の内製化が進んだこと。2つ目は、デジタル広告の需要拡大により、紙媒体を主力とする企業が影響を受けたこと。3つ目は、ハウスメーカー(木造建築工事業)の倒産増加に伴い、内装や家具などのインテリアデザインを手掛ける会社に影響が及んだことと分析している。
東京商工リサーチは7月17日、コスト高や人手不足、住宅ローン金利の上昇などを背景に、26年上半期のハウスメーカーの倒産が25年同期比87.3%増加したと発表している。
同社は、デザイン業の倒産について、現在のペースが続けば年間の件数が11年の80件を上回る可能性があると指摘。また、「独自性を打ち出せない企業は価格競争も劣勢に立たされ、こうした企業を中心に今後も淘汰が続くとみられる」と分析した。一方、生成AIの利用には、著作権などの権利関係や生成物の確認が必要になるとして、こうしたリスクに対応できるデザイン会社は存在感を高める可能性があるとみている。
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