NASA「確率100%」 SpaceXの使用済みロケットが月に衝突か
米航空宇宙局(NASA)は8月4日(現地時間)、米SpaceXのロケット「Falcon 9」の使用済み上段が、5日未明に月へ衝突する見通しだと発表した。衝突地点は、月面のアインシュタイン・クレーターとベル・クレーター付近。地球への危険はないとしている。
月に衝突するのは、2025年1月15日に打ち上げたFalcon 9の上段。米Firefly Aerospaceの月着陸船「Blue Ghost 1」やispace(東京都中央区)の「RESILIENCEランダー」を載せていた。Blue Ghostは、同年3月に民間企業として2例目となる月面着陸を成功させたが、6月に着陸を試みたRESILIENCEランダーは月面に衝突したとみられ、通信を確立できなかった。
放棄されたFalcon 9の上段は、太陽活動や重力の影響で軌道が変化し、意図せず月へ向かう軌道に入ったという。
軌道は、公開データをもとに独立系の天文学者たちが最初に特定した。その後、NASAジェット推進研究所(JPL)の地球近傍天体研究センターが、月へ衝突する確率を100%と予測。NASAとSpaceXは、同上段の追跡を続けている。
衝突によって、月面には幅約18m、深さ約3.7mのクレーターができ、岩石やちりが周囲へ飛び散るとNASAは予測している。衝突による噴出物の広がり方などを観測し、月の地質への理解や、将来の探査・科学ミッションに使うモデルの改良につなげる考えだ。
NASAは、マーシャル宇宙飛行センターの地上望遠鏡で衝突のリアルタイム観測を試みる。月周回探査機「Lunar Reconnaissance Orbiter」と韓国の月周回探査機「タヌリ」に搭載された超高感度カメラ「ShadowCam」でも、条件が整えば衝突地点を前後に撮影するという。画像の取得には数日かかる可能性があるとした。
衝突の影響については、「上段と同じエネルギーを持つ隕石が6日おきに月へ衝突している(ので問題ない)」と説明。さらに、衝突は計画外だったとしつつ、「月面への上段ロケットの投棄は技術的に認められた安全な方法であり、場合によっては低月軌道ミッションにおける唯一の現実的な選択肢となることもある」と加えた。
地球近傍の天体を追跡するサイト「Project Pluto」を運営する独立系の軌道力学者のビル・グレイ氏が8月1日に更新した予測では、上段は米国時間で5日午前2時35分ごろ(日本では同日午後3時35分ごろ)に衝突するとしていた。すでに予測時刻を過ぎているが、午後9時時点で、NASAは衝突に関する情報は公表していない。
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